長崎で“被爆の実相”に触れる 日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議

被爆者の築城さん(左)の講話を聞く日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議の参加者=長崎原爆資料館

 紛争が続く中東のイスラエルとパレスチナの学生を日本の学生が招き、交流する「日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議」が20日、長崎市平野町の長崎原爆資料館を訪れ、講話や展示を通じて被爆の実相に触れた。
 同会議は、両地域の対話を促したり、紛争問題への国内での関心を高めたりする目的で2003年に、国際基督教大(ICU、東京)の学生が中心となり始めた。九州開催は初めて。学生計22人が福岡市を拠点に観光や平和学習、討議などを通じて相互理解を深める。
 資料館では、被爆者の築城昭平さん(95)が英語で講話した。18歳のとき、爆心地から1.8キロで被爆。鼻や耳がなくなった人や全身が血だらけになった人が苦しむ光景を「世界の終わりのようだった」と表現した。学生は「原爆投下直後の医療体制は」「被爆者への差別はあったか」など熱心に質問していた。
 パレスチナ人の博士課程、マハムド・アルラマーヒさん(32)は「核兵器について日本人の視点で知ることができた。核兵器廃絶や平和に関心が高くなかったが、自分にできることをしたい」、会議代表でICU4年の伊藤りんさん(21)は「核兵器廃絶は国際的な課題。会議では個人的な話が中心となるが、国際的な動きにどう関わっていけるかを考える機会にしたい」とそれぞれ話した。


© 株式会社長崎新聞社