福井ナイター陸上2022、雨でも多くの観客 トップ選手の勇姿間近「息づかいまで感じられた」

走り幅跳びの選手に声援を送る観客=8月20日夜、福井県福井市の9.98スタジアム

 4回目を迎えたナイター陸上競技会「アスリート・ナイト・ゲームズ・イン・フクイ」(福井新聞社特別協賛)は初めて雨の中の開催となった。それでも、世界レベルの選手の勇姿を一目見ようと福井県福井市の9.98スタジアム(福井県営陸上競技場)には多くの観客が詰めかけた。雨がっぱ姿で拍手や手拍子を送り、選手たちの記録への挑戦を後押しした。

 最終日の8月20日は雷を伴う雨に見舞われ、午後3時の開始時間が1時間遅れた。大会恒例のフィールド内の特別観覧席には雨よけのテントが設置され、クラウドファンディングの出資者が観戦した。初めて実施されたやり投げのほか、100メートル障害、走り幅跳びなどを近距離で見届けた。

 各競技の先陣を切ったやり投げでは、選手の助走前の求めに応じ、大きな手拍子が送られた。4回連続で訪れた広島県東広島市の男性(60)は選手が控えるテントの真横で観戦。「選手の息づかいまで感じられた。最高だった」と感激していた。

 会場ではBGMが流れ、DJと解説者の掛け合いもあり、一般の競技会とはひと味違ったエンターテインメント性の高い雰囲気に。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、観客に代わって敦賀高陸上部員による事前録音の声援が響いた。福井市の男性(33)は「選手の高いパフォーマンスが見られたし、音楽など競技間をつなぐ工夫もあって楽しく観戦できた」と話していた。

 男子やり投げ1位の新井涼平選手(スズキ)は「観客が真横で応援してくれて、テンションが上がった」と笑顔でコメント。女子走り幅跳びの秦澄美鈴選手(シバタ工業)は「悪天候だったけれど会場の雰囲気が良く、楽しめた。近くの観客の応援が力になった」と充実した表情で話した。

 主催した福井陸協の木原靖之専務理事は「雨の中で応援してもらい本当にありがたい。今後も観客と選手ともにより楽しめるイベントにしていきたい」と話していた。

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 福井陸協は大会開催に際し、福井県に特化したクラウドファンディングサービス「ミラカナ」を活用して640万円余りを集めた。選手の招待費用や活動支援金に充てた。

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