「玉之浦神楽」魅力を継承 保存会が初めて子ども教室 五島

玉之浦神楽の演目に見入る子どもら=五島市玉之浦町、鶴田商店

 400年以上の伝統がある五島神楽の一つ、玉之浦神楽を継承しようと、長崎県五島市玉之浦町の白鳥神社神楽保存会(越首伸之介会長)は20日、同町で「子ども かぐら教室」を開いた。
 五島神楽は、福江、岐宿、玉之浦、富江、上五島、有川、宇久各地区の神楽の総称。2016年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 玉之浦神楽は、毎年9月にある白鳥神社の例大祭などで奉納。かつては33番の演目があったが、伝承されずに消失して、現在残るのは21番という。後継者の育成が課題となっている。
 同教室は、神楽の魅力を伝えようと、地元のまちづくり協議会と連携して初めて開催。小中学生10人が参加した。越首会長(41)が玉之浦神楽の歴史や各演目の特徴を説明。保存会メンバーが、獅子舞や豊作を願う舞など代表的な演目を披露した。
 市立玉之浦小6年の緒方希美さん(11)は「一つ一つの動きにキレがあった」と感心した様子。越首会長は「新型コロナの影響もあり、子どもたちに見てもらう機会が減っている。興味を持ってもらい、将来的に一人でもメンバーが増えればうれしい」と話した。


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