救急外来逼迫 知事「破綻も懸念」 岡山県内、利用には慎重な判断を

定例記者会見で県内の救急外来の現状を説明する伊原木知事

 岡山県の伊原木隆太知事は22日の定例記者会見で、新型コロナウイルス流行「第7波」の拡大で、県内の救急外来が逼迫(ひっぱく)しているとして「このままでは患者を受け入れられなくなり、医療提供体制の破綻も懸念される」と述べ、軽症の場合は救急外来や救急車の利用を慎重に判断するよう呼び掛けた。

 伊原木知事は救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が急増している状況を岡山市消防局でのデータを交えて説明。「新型コロナは軽症でもつらい場合はあるが、感染者の数パーセントが念のためにと救急車を呼べば、現場は大変なことになる」と指摘した。

 発熱外来に関しても、開いている医療機関が少ない休日や夜間は特に混み合っているとして「平日の日中にかかりつけ医などで受診するようお願いしたい」と強調した。

 県によると、岡山市消防局の新型コロナに関する搬送困難事案は7月25~31日の週が5件だったのに対し、8月1~7日に13件、同8~14日に17件と8月に入って急増。休日の発熱外来は午前中に予約が埋まったり、4~5時間待ちとなったりするケースが少なくないという。

© 株式会社山陽新聞社