上越市の第97回謙信公祭が20、21の両日、同市の春日山地域で行われた。21日夜には同祭を締めくくる一大戦国絵巻「川中島合戦の再現」が春日山城史跡広場で行われ、市内外から集ったよろい武者約150人が激しい剣戟(けんげき)で会場を魅了した。
川中島合戦は戦国史上最大の死闘ともいわれ、「上杉謙信と武田信玄の一騎打ち」で知られている。同祭では例年、謙信の遺徳をしのび「義」の心を伝えるため、北信濃の民を救うため出兵した上杉軍の戦いを再現している。
コロナ禍で合戦の再現は2年続けて中止となり、今年は3年ぶりの実施となった。浦川原区の保倉川太鼓の力強い演奏に合わせ、騎馬やよろい武者が入場。米沢藩古式砲術保存会(山形県)による砲術披露、地元園児らがふんする「ちびっこ謙信」の登場が会場を盛り上げた。
謙信と信玄の一騎打ちでは、馬上の謙信が信玄の軍配を切りつけるシーンを再現。両者の威風堂々とした姿に、会場から大きな拍手が送られた。
来場者を前に、謙信公祭協賛会の山田知治会長は「謙信公の往時をしのび、義の心を感じてもらえたら」、出陣行列で謙信役を演じた中川幹太上越市長は「上越市の魅力の一つとして(謙信公祭を)県外、世界に発信していきたい」と思いを語った。