リーズ、「”CL準優勝”の伝説イレブン」は今何をしているのか

先週末の試合でチェルシーを3-0で撃破し大きな話題を集めたリーズ・ユナイテッド。1990年代終盤から2000年代初頭にかけて「ヤング・リーズ」と言われたチームで大ブレイクしたものの、その後経営難で破綻してしまった。

今回は2000-01シーズンにチャンピオンズリーグ準決勝まで進出し、バレンシアに惜しくも敗れた際のスターティングメンバーをご紹介しよう。

GK:ナイジェル・マーティン

リーズ所属:1996~2003年

現在:指導者

イングランド代表23試合出場の経験を持っているレジェンドGK。リーズに加入したときにはすでに30歳となっていたが、2003年まで長くチームを支えた。プレミアリーグでの無失点試合数では歴代5位である。

エヴァートンで引退後はブラッドフォード・シティのGKコーチを務めたことがあるが、2009年に退任してからはサッカーの現場は離れている。趣味としてシニアのクリケット大会によく出場しており、チームメイトはこの試合でサブGKだったポール・ロビンソンだそう。

CB:リオ・ファーディナンド

リーズ所属:2000~2002年

現在:解説者

ヤング・リーズの象徴の一人であったリオ・ファーディナンド。この試合では23歳ながらキャプテンを務め、個性あるメンバーをまとめ上げていた。もちろん退団後はマンチェスター・ユナイテッドで活躍。

引退した後は解説者に転身。一時はボクシングにも取り組んでいたが、コミッションからライセンスを取得不可能と言われてしまったことから断念している。

CB:ドミニク・マッテオ

リーズ所属:2000~2004年

現在:指導者

当時はジョナサン・ウッドゲイトが所属していたが、このバレンシアとの2試合はマッテオがセンターバックを務め、リオ・ファーディナンドとコンビを組んでいた。本来はサイドバックもこなすユーティリティDFで、外見通り荒っぽいプレーが得意だった。

現役生活晩年にライセンスを取得して指導者になったが、ギャンブルと飲酒の習慣が抜けずに借金がかさみ、2015年に破産。一時はリーズで大使を務めていたがその際に退任している。2019年には脳腫瘍で倒れ、長く闘病生活を行ったことも。

右SB:ダニー・ミルズ

リーズ所属:1999~2003年

現在:解説者、慈善活動家

のちにマンチェスター・シティにも所属したことで知られるユーティリティディフェンダー。とてつもないハードタックルを武器としたクラッシャーで、数多くのアタッカーを泣かせてきた。

怪我の悪化によって2009年に32歳で現役を引退した後は解説者としてメディアで活躍。息子が難病の二分脊椎水頭症で亡くなったこともあり、その患者の支援やチャリティー活動も積極的に行っている。

左SB:イアン・ハート

リーズ所属:1995~2004年

現在:代理人

「悪魔の左足」を持っていたアイルランド代表サイドバック。フリーキックやクロスのスペシャリストとして知られ、数多くの印象に残るボールを放ってきた。ただスタイルもあって衰えが早く、20代中盤には全盛期を過ぎてしまったのが残念だった。

2015年に引退後はサッカー選手の代理人に転身しており、「Elite Talent Management」で勤務している。

MF:オリヴィエ・ダクール

リーズ所属:2000~2003年

現在:解説者

リーズで活躍を見せたあと、ローマ、インテルでもプレーしたフランス代表ボランチ。21歳のときにはフランス軍の一員としてミリタリーW杯に出場して優勝したこともあるという珍しい経験も。

2010年にスタンダール・リエージュで現役引退したあとは解説者に転身し、RMCやCANAL+、ユーロスポーツ、EUROPE1などの各局で活躍している。

MF:デイヴィッド・バッティ

リーズ所属:1987~1993、1998~2004年

現在:不明

旧き良きイングランドサッカーを体現するかのようなクラッシャーであったバッティ。圧倒的な闘争心と荒っぽいプレーで相手を恐怖に陥れる選手であり、リーズに大きな貢献をした真のレジェンドでもある。

2004年に現役引退したあとはノースヨークシャーで静かに生活をしており、レジェンドマッチにも顔を出さない。その理由は「サッカーがあまり好きではない。金を払って見に行く人がいることが理解できない」からだそうで、リオ・ファーディナンドも彼と連絡が取れないと明かしていた。

MF:アイリク・バッケ

リーズ所属:1999~2005、2006年

現在:指導者、解説者

ノルウェーの名門ソグンダルから1999年にリーズへと加入した選手。怪我がかなり多かったものの、ボランチと右サイドをこなすユーティリティ性と186cmという体格、豊富な運動量を武器に存在感を示した。

2012年に引退後は指導者に転身。2015年から2021年まではソグンダルで長くコーチを務め、今年から「Viaplay」という北欧のストリーミングサービスでプレミアリーグの解説者に就任している。

MF:ハリー・キューウェル

リーズ所属:1995~2003年

現在:指導者(セルティック コーチ)

1993年にリーズのアカデミーに加入し、トップチームに引き上げられたオーストラリアの名ウインガー。怪我が多かったために離脱期間も長かったが、若い頃のドリブルの切れ味はまさに伝説的なものだった。

2014年に引退後は指導者に転身。なかなか監督としてはうまくいかない時期が長かったものの、今年からあのアンジュ・ポステコグルーが率いるセルティックに加入。アシスタントコーチとして新しい道に進んだ。

FW:マーク・ヴィドゥカ

リーズ所属:2000~2004年

現在:コーヒーショップ経営

実はルカ・モドリッチのいとこであるオーストラリア人FWヴィドゥカ。重戦車とも言われるパワフルな突進と得点力が魅力で、代表ではワールドカップで日本を相手に活躍したことでも知られる。

引退後はルーツを持つクロアチアに移住しており、コーヒーショップを経営している。また慈善活動にも参加しているほか、メルボルン・シティのオーナーグループの一人でもあるそう。

FW:アラン・スミス

リーズ所属:1998~2004年

現在:指導者

リーズの下部組織で育った荒くれストライカーのアラン・スミス。若くしてレギュラーを獲得し、ファンから大きな人気を集めたたものの、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍で批判を受けることに。後にファーガソン監督の下でボランチに転身。

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2017年にノッツ・カウンティで選手兼暫定監督を務めて指導者デビュー。現在はアメリカに移住しており、オーランドで「XL Soccer World Academy」のコーチとして少年少女を教えている。

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