国体 ハンドボール少年女子 冷静に目的遂行、大分高単独チームで出場権獲得

ハンドボール少年女子の国体九州ブロック大会は、大分高校の単独チームが福岡県代表に24-22で勝利し、栃木国体の出場権を獲得した。滝元泰昭監督は「見ている方が疲れたが、選手は自信があったと思う。劣勢な状況になっても、慌てず力を出せた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

今夏の全国高校総体(インターハイ)で5位となった大分のメンバーは、リードを許す場面もあったが、しっかり守備ブロックを築いた。一人一人の強度を高め、じわりじわりと相手の体力を消耗させ、ミスを誘った。キャプテンの進司愛莉(3年)が「練習からリードされた展開を想定して、しっかり1点ずつ取れるようにしてきた」と話すように、焦ることなく淡々と自分たちのプレーを遂行した。

国体出場権を獲得した大分高単独チーム

狙いとしていた堅守からの速攻の数は少なかったが、相手陣内に入ってからはパスを回し、守備のわずかなほころびを見つけては、進司や古賀美陽(2年)が個人技で得点を重ねた。古賀は「狙いどころは分かっていた。インターハイではピンチのときに点が取れなかったので、今日は焦らずに攻めた」と勝因を語った。

後半立ち上がりに連続4失点で逆転されたが、2点差以上離されることはなかった。後半15分には古賀が同点ゴールを奪い、3分ほどスコアの動かない時間帯が続いたが、1年生GKの阿波野夢叶がファインセーブで流れを呼び込んだ。「不安はあったけど、先輩が点を決めてくれるので気合いで止めた」(阿波野)と気持ちの高ぶりとともにシュートストップの数が増えた。古賀が均衡を破る逆転シュートを決めると、その後は相手に流れを渡さずに逃げ切った。試合中は一切表情を変えなかった選手たちだが、試合が終わると笑顔が弾け、勝利を喜んだ。進司は「インターハイで日本一になれなかったので、国体でもう一度日本一を狙いたい」とチームの思いを代弁した。

好セーブで勝利を呼び込んだ阿波野夢叶

(柚野真也)

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