西九州新幹線開業へ準備着々 大阪や福岡でPR 当日ブルーインパルス飛行

西九州新幹線開業をPRするラッピングが施された階段=JR大阪駅

 西九州新幹線開業まで1カ月を切った。長崎県内では機運醸成を図るため着々と準備が進んでいる。試乗会などイベントがめじろ押し。開業日当日も出発式や、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行などが予定されている。
 大石賢吾知事は23日の定例会見で、来県客に対する「おもてなし」強化や県内周遊を促す2次交通の充実が必要だとして「満足してもらえるよう、市町や関係者と連携し準備を万全にしたい」と述べた。
 県は19~21日、関西からの誘客を狙い、JR大阪駅(大阪市)で大規模なPRイベントを実施した。本県出身タレントで西九州新幹線県広報大使の長濱ねるさんらがトークショーで魅力を発信。県内21市町の物産ブースもにぎわったという。9月上旬にはJR博多駅(福岡市)の大型ビジョンやデジタルサイネージを“ジャック”し、露出を増やしていく。
 同新幹線関連ツアーを企画した阪急交通社によると、予約は好調。担当者は「開業で間違いなく西九州への観光客は増える」と期待する。
 沿線各市で開業を盛り上げるイベントが展開されるほか、JR九州は9月18、19両日、約1万2千人を募集した同新幹線かもめの試乗会を開く。開業日は新幹線各駅で出発式などを行い、長崎市内で祝賀会を開催、ブルーインパルスが同市上空を午後飛ぶ予定。
 一方、佐賀県内の新鳥栖-武雄温泉については、まだ整備方式が決まっていない。大石知事は定例会見で「1日でも早く(全線フル規格を)実現できるよう取り組む」と改めて強調した。交通系ICカード利用エリア拡大を発表した22日の合同会見では、フル規格化に難色を示す佐賀県の山口祥義知事が財政負担や在来線の在り方などを懸念。大石知事はこれに触れ「そういった部分をしっかり整理し、解決していけるように連携して進めたい」とした。


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