25日まで中国盆 華僑ら先祖しのぶ 長崎・崇福寺

線香を上げ、先祖の霊を供養する参拝者=長崎市、崇福寺

 中国・福建省出身者の菩提寺(ぼだいじ)として知られる長崎市鍛冶屋町の崇福寺で23日、先祖らの霊を供養する中国盆が始まった。今年は3年ぶりに赤いランタンなどで寺の中を飾り付け、華僑らが参拝した。
 中国盆は旧暦の7月26日から3日間の伝統行事で、380年以上の歴史がある。同寺に招き入れた霊を娯楽施設や劇場、宿泊所などに見立てた模型(冥宅(めいたく))でもてなす。
 僧侶たちが読経をする中、檀家(だんか)や華僑らが線香を上げ、手を合わせた。檀家総代の劉済昌(りゅうさいしょう)さん(72)は「新型コロナの影響で2年間は催事だけ。今年はできることなら参拝に来てほしいと思い実施した」と話した。同市万才町で中国料理店を営む譚瑞英(たんずいえい)さん(72)は「昔ほど華僑が集まらなくなりさみしいが、大事な行事。大切にしていきたい」と話した。
 最終日の25日夜は読経の後、先祖があの世での生活に不自由しないように、お金に見立てた円すい状の紙細工「金山・銀山」を焼いて霊を送り出す。


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