横須賀で愛され43年、大衆そば店「えびすや」8月いっぱいで閉店 惜しむ客続々

えびすやの須藤玲子さん

 横須賀で43年間愛された市役所近くの大衆そば店「えびすや」(同市若松町)が今月いっぱいで閉店する。10年前に夫・達二郎さんが他界後も、女将(おかみ)の須藤玲子さん(78)が従業員と営業を続けてきたが、「体力の限界」と決断した。連日、こだわりの味を惜しむ常連客でにぎわっている。

 建物はもともと達二郎さんの父が開業した眼科医院だったが、診療中に倒れて閉院。1979年7月、跡地に須藤さん夫婦で急きょそば店を開いた。屋号は達二郎さんの「えびす顔」にちなんだという。

 夫婦ともに飲食業は未経験で、100店ほどのそば店を回り、味を研究した。現在でも低価格が売りで350円からメニューをそろえるが、「だしはいい材料を使う」という達二郎さんのこだわりで、昆布とかつお節、さば節は高級品を仕入れた。完成したつゆはちょっと甘めの味付けで、「関西風」と人気を呼んだ。

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