アレックス・リンス「厳しいサーキットだと理解していた。粘ったけど8位が精一杯だったよ」/MotoGP第13戦オーストリアGP

 8月21日、2022年MotoGP第13戦オーストリアGP MotoGPクラスの決勝がオーストリアのレッドブル・リンクで行われ、チーム・スズキ・エクスターから参戦しているアレックス・リンスは8位、ジョアン・ミルは転倒リタイアとなった。

 不安定な天候と路面コンディションに左右されるレースウイークとなったが、初日のFP1からリンスは6番手と、ミルは3番手とまずまずの滑り出しを見せていた。2日目のFP3でふたりともタイムを上げてトップ10入りでダイレクトQ2進出を果たした。予選Q2でもタイムが接近する難しい予選となったが、ミルは8番手、リンスが11番というグリッドを獲得してレースに挑んだ。

 迎えた決勝日は、上空に雨雲が立ち込め天候が心配されたが、ドライコンディションでスタートした。後方4列目11番手グリッドからスタートするリンスはフロント、リヤともにミディアムタイヤを選択した。スタート後、トップ10をキープしながら中盤まで慎重にレースを運んでいく。残り15周でひとつポジションを上げるが、前を走るヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)をなかなかオーバーテイク出来ず、ポシジョンアップに苦戦を強いられる。

「ザルコの後ろで9番手を走行していた時は彼よりも自分の方がペースは良かったのに、ブレーキングで彼をオーバーテイクすることも困難だったし、コーナーからの立ち上がりでもロスしてしまった」とザルコとのバトルをリンスは語る。

 その後、ザルコを交わして8番手へとポジションを上げるが、レース終盤はリヤのスライドとブレーキングに苦しみタイムアップが出来ないなかで、最後まで粘りの走りを見せて8番手でチェッカーを受けた。

 レース後にリンスは「レッドブルリンクがシーズンを通して自分達にとって一番厳しいサーキットであることは最初から理解していたし、決勝での苦戦もある程度予測していた。最後まで粘ったけど今日は8位が精一杯だったよ。でも今日のレースでたくさんの情報を得ることができたし、それをこれから残りのレースにうまく活かしていくことが大切だと思っている。次戦ミザノはここよりも相性が良いサーキットだから、気持ちを切り替えてしっかり準備して臨むよ」と振り返った。

アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/2022MotoGP第13戦オーストリアGP

 一方チームメイトのミルは、8番手グリッドから好スタートを決めてトップグループに加わるが、直後に4コーナーで転倒を喫してしまう。メディカルセンターに搬送されレントゲン検査を受けた結果、右踵に骨折及び骨片剥離が確認された。その後8月22日、23の2日間に渡って靭帯を含むその他箇所の検査のため、さらにMRIスキャンを受けた結果、右足首の距骨に小さな骨折と、距骨靭帯の破損が判明した。

 そのため医師から、15日間は絶対安静と助言を受けたことから、ミルは9月2〜4日にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催される第14戦サンマリノGPは欠場することになった。第15戦アラゴンGPでの復帰を目指して調整を進めていく。

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