被爆体験者の医療助成 「がんの一部」追加で3億9000万円増 厚労省要求

 2023年度政府予算の概算要求で、厚生労働省は国の指定地域外で原爆に遭った被爆体験者への医療費助成について、対象疾病に「がんの一部」を新たに加えるため、本年度当初より約3億9千万円増額した。
 岸田文雄首相は「長崎原爆の日」の9日、長崎市内で記者会見し、被爆体験者の医療費助成の対象疾病に「がんの一部」追加を検討すると明らかにしていた。
 厚労省によると、新たに対象となる「がんの一部」の具体的な疾病は現時点では決まっておらず、専門家の意見を聞きながら今後検討するという。追加分については来年4月の支給開始を目指すとしている。
 厚労省は、被爆体験者への医療助成費として本年度は約8億2千万円を計上しており、来年度の概算要求の総額は、これに増額分を加えた12億円規模とみられる。


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