美作三湯の温泉街でアート満喫を 27日から「芸術温度」

 湯郷、奥津、湯原の美作三湯の温泉街を舞台にした回遊型アートイベント「美作三湯芸術温度」(岡山県主催)が27日から始まる。2016年から3年に1度開き3回目。今年は最多の作家26人が各温泉地の旅館やホテルなど25カ所に多彩なジャンルの作品を展示する。

 県南や香川県を訪れる観光客を県北にも呼び込もうと、同じく3年に1度行われる瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流の会期に合わせて開催。県内外の作家が絵画、彫刻、版画、人形など8ジャンルの作品を出展する。

 湯郷温泉では10施設に作家9人が出品。奈義町在住の画家花房紗也香さんは油絵の具とアクリル絵の具を使ってファンタジーな世界を描き出した作品を「清次郎の湯 ゆのごう館」(美作市湯郷)で紹介する。

 奥津温泉の「名泉鍵湯 奥津荘」(鏡野町奥津)にある一室をそのまま1品として表現するのは現代美術家太田三郎さん=津山市在住。「文豪が愛した温泉宿」をテーマに絵画などを並べる。同温泉には他に美作市在住のインスタレーション(空間芸術)作家甲田千晴さんら6人が5施設で披露する。

 10施設に作家11人が集まる湯原温泉は、「湯の蔵 つるや」(真庭市湯原温泉)で赤磐市在住の草間〓(〓は吉の右に吉)雄(てつお)さんが繊維を用いたテキスタイルを飾る。色とりどりの糸を何本も並べ、鮮やかなグラデーションを浮かび上がらせる。

 キュレーター(企画責任者)を務める奈義町現代美術館の岸本和明館長(59)は「温泉街のゆったりとした空間の中で鑑賞できる。力作の数々を心行くまで堪能してほしい」と話している。

 イベントは12月4日まで。期間中は展示作品の図録がもらえるスタンプラリーを開催。スタンプは各展示会場にあり、一定以上集めると漏れなくプレゼントされる。問い合わせは県文化振興課(086―226―7903)。

「美作三湯芸術温度」のチラシ

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