「最低限の本すら買えない」相模原市の学校図書購入費 批判受け当初予算の4倍計上

相模原市役所

 相模原市は市立小中学校の学校図書購入費について、当初予算の4倍に当たる約9400万円の一般会計補正予算案を市議会9月定例会議に提出した。同市の図書購入費はこの2年間で4割以上減り、学校現場から「最低限の本すら買うことができない」などの批判の声が上がり、民間団体などが学校に本を寄贈するなど支援していた。

 2020年度は約4千万円だった同市の学校図書購入費だが、21年度は前年度比2割減の約3200万円、本年度は当初予算で同3割減の約2300万円とさらに減少した。公益社団法人「全国学校図書館協議会」の同年度のアンケートによると、小中学校の1校当たりの図書購入費は全国の政令市で熊本市に次いで2番目に低かった。

 市書店協同組合の中村太郎専務理事は「最低限必要な書籍を買うことができない」と危機感を募らせる。読書感想文の課題図書をそろえられなかったり、授業で使う百科事典の定期的な買い替えができなかったりしているという。

 学校現場からは「インターネット検索では調べ学習は厳しい」「クラス人数分の辞書を購入することができない」などの声が上がっており、予算削減を知った相模原橋本ロータリークラブなどから寄贈が寄せられているという。

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