「長崎ひがし写友会」活動50年 30日までコクラヤで記念展覧会

これまでの会の思い出について話す(左から)林田さん、和田さん、酒井さん=長崎市内

 長崎市東部を拠点とする写真同好会「長崎ひがし写友会」が今年、活動開始から50年を超えた。半世紀以上の歴史を持つ写真サークルは市内でも少なく、発足当初から参加する人もいる。創立50周年を祝う展覧会も30日まで開いており、会員らは「好奇心こそ継続の秘訣(ひけつ)」と笑顔で語る。
 長崎ひがし写友会は二科会会員の写真家、故宮崎圭介さんが呼びかけ、東公民館の自主クラブとして1971年に結成。作品を持ち寄る月例会や写真展を開き、現在は20~90代の男女14人が所属している。
 カメラを勉強しようと入会した和田哲臣さん(92)は発足当初から活動。「楽しんで写真を続けられた」。仲間の林田好正さん(88)らと野宿しながら撮影旅行をしたり、スナップ写真を撮らせてくれた人と仲良くなったり…。作品と共に思い出も増えた。会員同士で同じ被写体を撮っても、現像した写真は十人十色。そのたびに「なるほど」と気づくことが刺激になった。
 和田さんは国内最大規模の写真公募展、二科会写真部展にも長年挑戦。地道に入選を重ね、来月付で同部の会友に推挙されることが決まった。「みんなが喜んでくれた」とはにかむ和田さんは「写友会があったおかげ。頑張れば会友にもなれる姿を示せた」と満足感をにじませる。
 半世紀の歩みの中でさまざまな場面にも直面した。40年前の長崎大水害では、例会中の東公民館に路線バスが流れ着き、会員が協力して乗客を救出した。写友会を立ち上げ長年指導した宮崎さんが2014年に亡くなり、会の存続が危ぶまれた時もあった。数年前、指導のため入会した二科会写真部会員、酒井勝義さん(69)=諫早市在住=は「それでも存続してきたのは写友会会員の好奇心が原動力」と語る。「写真を好きな気持ちが強いから、何があっても続けられる」
 同市万屋町のコクラヤギャラリーで26日始まった展覧会には、人々の何げない表情を捉えた和田さんのモノクロ写真や世界の風景を収めた林田さんの写真などが多彩に並ぶ。和田さんは「お客さんが自分の写真の前で立ち止まってくれるか毎回緊張するが、見てもらうことが一番の励み」と話した。

多様な作品が並ぶ長崎ひがし写友会の展覧会=長崎市、コクラヤギャラリー 

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