広島や長崎の被爆、中国での「留用」体験、戦死した伯父の17通のはがき…。横浜、川崎市内の50~80代の語り手5人がそれぞれの「戦争」を伝える催し「今こそ知りたい、戦争の真実~戦争体験者の生の声から」が9月10日、横浜市緑区のみどりアートパーク(緑区民文化センター)ホールで開かれる。
広島で11歳の時に被爆したことを人に話すことがなかった森政忠雄さん(88)は、孫から夏休みの自由研究のテーマにと頼まれ重い口を開いた。1歳8カ月の時に長崎で被爆した中釜眞妹子さん(78)は、被爆者としての人生を伝える語り部となった。
技術者だった父が戦争終結後も国造りに必要との理由から強制的に中国に留め置かれた藤村勝典さん(71)は、「留用」暮らしの様子を語る。伯父がフィリピンで戦死した佐々木京子さん(61)は、伯父から家族に宛てられた「戦地からのはがき」17通を紹介する。
また、バングラデシュのモラ・エムディ・マスドさん(57)は、西パキスタンとの戦争を経て1971年に独立した母国の混乱と発展をはじめ、教育支援活動について語る。内戦下の南スーダンからロンドン五輪に出場したマラソン選手のドキュメンタリー「戦火のランナー」も上映する。
横浜と川崎の市民でつくるグループ「ごえんのちから」が主催。午前10時~午後6時半。入場料は中学生以上千円、子ども500円。問い合わせは、須摩修一さん電話090(2521)1996。