3年生、夏物語2022 vol.6 ハンドボール女子 日本一への挑戦が続く大分

ハンドボール女子の全国高校総体(インターハイ)で5位となった大分。3年生は岐路に立った。卒業後の進路に備えて部活動を引退するか、国体や日本選手権に向けて競技を続行するのか。滝元泰昭監督はそれぞれの将来のことを優先してほしいと話した上で、「インターハイで満足したなら辞めた方がいい。もう一度日本一を目指すモチベーションを保つのは難しい。やる気がない状態で残ってもらっても困る」と厳しい声を投げ掛けた。

国体に向けて4人の選手が残った。全国高校総体後の1週間の練習は、ほとんどボールを持たず、走り込みや基本練習の反復だった。「ボールを持ちたい。試合がしたいと思えるよう一度リセットした」(滝元監督)。国体の少年女子は大分高校の単独チームで出場することが決まっており、連係の成熟度を上げるより、気持ちを整えることを優先したという。

栃木国体に向けて残った3年生

国体九州ブロック大会は、全国高校総体のリベンジマッチだった。キャプテンの進司愛莉(3年)は「インターハイで出た課題は明確だった。一人一人の守備強度を上げ、プレーの精度を上げることだった。それぞれが1対1で負けなければチームとして勝てる」との思いで試合に臨んだ。1回戦の熊本県代表、2回戦の福岡県代表との試合は、どちらも24-22。数字だけを見れば僅差の勝利であったが、試合内容は十分勝っていた。選手は勝負どころを共有していたからこそ、焦らずに落ち着いてプレーしていた。滝元監督は「インターハイで勝ち上がった経験が自信となっていた」と振り返る。

9月末に日本選手権の九州予選、10月には栃木国体と連戦が続く。3年生にとっては、負ければ終わりの試合となる。進司は「私たちの代は中学3年のときからコロナ(新型コロナウイルス)の影響で全国大会が中止となり、思うような練習もできなかった。インターハイだけでは満足できない。残りの大会で日本一を狙いたい。もう少し、みんなでハンドボールをしたい」と秘めた思いを口にした。ひと夏を超えて、収穫の秋を迎えるために下級生とともに練習する日々が続く。

日本一を目指す戦いは続く

(柚野真也)

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