アカウミガメの赤ちゃん初めて誕生 藤沢の新江ノ島水族館、今しか見られない姿も

アカウミガメの赤ちゃん(新江ノ島水族館提供)

 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市片瀬海岸)で初めてアカウミガメの赤ちゃんが誕生し、2匹を展示施設「ウミガメの浜辺」で公開している。

 子ガメは甲長約5センチ、甲幅約4センチ、体重28グラム。鼻と口の間にある卵の殻を破るための「卵角(らんかく)」と呼ばれる突起や前肢を甲羅の上に乗せて浮かぶ様子は子ガメの時期にしか見られないという。

 母親はジロウ、父親はノアでいずれも同館での飼育年数は17年。今年3月27日に2匹の交尾を確認。5月14日未明にジロウが展示施設の砂浜に上陸し産卵した。それから82日目となる8月4日午後11時15分に砂の中から赤ちゃんが出てきた。

 別のメスの産卵も確認しており、これまでに百匹以上が生まれている。誕生から約2日の期間を逃すと、外敵に襲われる危険性が高まるため、2匹を除く子ガメは砂から出てから24時間以内に速やかに海へ放流している。

 アカウミガメは環境省レッドデータブック絶滅危惧ⅠB類に指定され、世界的に絶滅が懸念されている。同館の担当者は「厳しい自然の中で、いつか再び大きくなった子ガメが相模湾へ戻ってくる日を願っている」と話している。

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