「鎌倉殿の13人」で注目の三浦一族、隠れた勇将に光を 地元・横須賀市民らPR

佐原城跡の石碑の前に立つ「佐原の歴史と文化を楽しむ会」の会員や地域住民、甲冑づくりに協力する「横須賀開国甲冑隊」のメンバーら(同会提供)

 平安時代末から鎌倉時代初期の武将・佐原義連(さわらよしつら)を多くの人に知ってもらおうと、居城跡がある横須賀市佐原の住民が歌やダンス、甲冑(かっちゅう)を作り、埋もれた歴史に光を当てる活動を始めた。源平合戦で活躍し、大蛇を退治したという逸話も残る地域の英雄の歴史を後世に伝えるのが狙いだ。

 佐原義連は横須賀・衣笠地域を拠点とした三浦義明の子で、源頼朝の挙兵に参加。佐原城を居城とし、2メートルほどの長身だったと伝わっている。源義経らが馬に乗って急斜面を駆け降りて勝利した一ノ谷の戦いの「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」で一番乗りを果たす武勇を誇った。その後、領地となった福島県会津地域には村人を苦しめた大蛇を退治したという民話が残る。

 横須賀市佐原の佐原城跡には1893(明治26)年に地域住民が「佐原十郎義連城跡」と刻んだ石碑を建てているが、地域でも名前を知る人が少なくなっているという。折しもNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で三浦一族に注目が集まり、来年には石碑建立130周年の節目を迎えることから、住民でつくる「佐原の歴史と文化を楽しむ会」が中心となって歌を作ることを決めた。

 会では歌のサビ部分100文字ほどの歌詞を募集。曲を付けて来年3月に地域で開かれる「佐原文化祭」で子どもたちのダンスとともにお披露目する予定。住民で甲冑も作り、イベントなどで披露する。同会の長瀬弘会長(82)は「地域の歴史を多くの人に伝えることで、郷土を大切に思う気持ちを育みたい」と話している。

 募集している歌詞は9月30日必着で、住所、氏名、年齢、連絡先、メールアドレスを記入し、〒239─0835、横須賀市佐原1の13の7、長瀬さん方「佐原義連の歌」係に郵送する。メールの送付先は(sawara-uta@jcom.zaq.ne.jp)。

© 株式会社神奈川新聞社