「オンラインで学び継続」 新型コロナの第7波 2学期、どう過ごす?

 コロナ禍で3度目の夏休みが間もなく終わり、長崎県内ではほとんどの小中学校などが9月1日に2学期を迎えます。感染力が強いオミクロン株の派生型「BA・5」による流行第7波で県内では連日数千人の陽性者が確認されています。ただ、健康な子どもであれば重症化リスクは低く、専門家は「過度に怖がる必要はない」と話しています。新学期に向けた注意点や、感染しても学びを止めない取り組みなどを県教委や長崎市教委、専門家に聞きました。

 -気を付けることは。
 BA・5だからといって対策が変わることはありません。手洗いや適切なマスクの着用に加え、3密(密閉、密集、密接)を避けたり、換気をしたり、規則的な生活で抵抗力を高めたりするように心がけてください。

 -登校前の注意点は。
 検温はもちろん、健康状態にいつもと変わったところがないか気にかけてください。発熱やせきなどの風邪症状がある場合は登校を控えましょう。

 -家族に風邪症状があった場合は。
 地域や学校によって対応が異なるようです。文部科学省のマニュアルによると、感染レベルが3または2の地域では実情に合わせ、同居家族に未診断の発熱などの症状がみられた際に登校を控えるよう求められる場合があります。長崎市教委は2学期の開始に合わせ、この基準を採用。各校に通知しています。県全域に「2-Ⅱ」(特別警戒警報)が出されていることが根拠になっています。

 -陽性または濃厚接触者になったら学習の遅れが心配。
 県内の公立小中学校やほとんどの県立高校では1人1台の端末が配備されています。各市町教委や学校で対応は異なりますが、コロナ禍も3年目になり、オンラインの活用が進んでいます。長崎市教委によると、コロナの影響で学校に行けない場合は、児童生徒の体調や状況に応じて、教員が保護者らと個別にやりとりしながらオンライン授業を受けるかどうかを決めています。2学期を前に、臨時対応でオンライン授業をする体制が整っているかなどを調査したところ、ほとんどの学校で整っていることが分かりました。

 -まだ暑い日が続いている。マスクが不要な場面は。
 文科省は熱中症のリスクが高くなる夏季の着用基準を示しています。不要な場面の例として▽体育の授業▽運動部の活動中▽登下校時-などでは熱中症対策を優先し、「児童生徒にマスクを外すように指導すること」としています。一方でマスク着用を希望する児童生徒に対して適切な配慮も求めています。専門家は「子どもは大人に言われると頑張って着け続けてしまう。熱中症は命に関わることがあり、危険。大人の適切な指導が必要だ」と助言しています。

 -感染による差別やいじめが気になる。
 急速な感染拡大で8月中旬ごろからは県内で週に2万人を超えるペースで感染者が出ています。累計は18万人に近づいていて、県民の約8人に1人が感染を経験したことになります。専門家によると、「どんなに気を付けていても感染してしまうことがある」そうです。差別は絶対にいけないと再認識してほしいですね。


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