山口茜の高校時代の恩師「最高の試合」 バドミントン世界選手権V2、地元福井から称賛の声

バドミントンの世界選手権女子シングルスで2連覇を果たした山口茜=8月28日、東京体育館

 「世界の茜」がまたやってのけた。8月28日に行われたバドミントン世界選手権の女子シングルス決勝で、日本勢初の連覇という偉業を達成した福井・勝山高校出身の山口茜選手(再春館製薬所)。今年3月の全英オープン(OP)初優勝など、ビッグタイトルを次々と獲得する姿に、地元福井県勝山市の指導者や同級生は「世界女王らしい見事な戦いぶり」「やっぱり茜はすごい」と称賛した。

 高校時代の恩師で勝山高校女子バドミントン部の小林陽年監督(45)は生徒と一緒に会場で観戦後、「最高の試合を見せてくれてありがとう」と声を弾ませた。初の自国開催で大勢の観客が詰め掛けていたとし「茜には相当なモチベーションになったのではないか。パフォーマンスもすごく安定していた」と振り返った。試合直後に山口選手から「ありがとうございました」と笑顔で声を掛けられたという。

 昨夏の東京五輪は、原動力の「楽しむ」ことを忘れ8強止まりだった。しかし、その後は自然体を意識して快進撃を続けた。

 「東京五輪が終わり、プレッシャーがなくなったのではないか」と語るのは、クラブチーム「勝山南部ジュニア」で小中9年間を指導した三觜賢さん(52)=勝山市バドミントン協会理事長。世界選手権や全英OP制覇と結果を出す教え子の姿に「やっと自分らしさを取り戻した感じ」と目を細めた。「新型コロナウイルス禍で暗いご時世の中、華やかな話題を届けてくれた」とたたえ、「彼女が日頃から口にしている『勝山を元気に』してもらった」と感謝の意を示した。

 全英OP以降のツアー4大会は最高でも8強と精彩を欠いたように映ったが、山口選手自身は「そんなに悪いわけでもない」と冷静だった。その言葉通り、今大会は世界ランキング1位の実力を存分に発揮した。

 中高時代に山口選手とダブルスを組んでいた同級生、鈴木咲貴さん(25)=百十四銀行=は、実業団所属の同じアスリートという立場から「(実力通りに)勝ち上がっていけるのはやっぱりすごいなって思う。自分も頑張ろうと刺激になる」と話した。

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