台風11号はきのう29日(月)の夜に小笠原諸島に接近したあと、きょう30日(火)の午前3時に非常に強い勢力となった。
　このあとも台風は非常に強い勢力を保ったまま、あす31日(水)にも沖縄や奄美に接近する見込み。
　また、本州付近も前線や台風周辺の湿った空気の影響で、きょうから全国的に曇りや雨の所が多く、激しい雷雨になる所もありそうだ。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに注意・警戒が必要となる。

台風11号　非常に強い勢力であす31日に沖縄・奄美へ

　非常に強い台風11号は30日午前3時には父島の西約300キロにあって、1時間におよそ35キロの速さで西へ進んでいる。中心の気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルで暴風域を伴っている。
　台風はこのあとも西よりに進むが、今回の台風は進む海域の海面水温が高いため、非常に強い勢力を保ったまま、あす31日(水)にも沖縄や奄美に接近する見込み。
　また、このあたりで台風の動きが遅くなるため、沖縄付近で影響が長引くことが予想される。南西諸島では長丁場の大雨や暴風、高波に注意・警戒が必要だ。

　昨夜は父島で最大瞬間風速48.4メートルを観測し、8月としては1位の記録を更新したが、このあとは大東島地方を中心に一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹き、猛烈にしける所がある。
　風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒し、うねりを伴った高波にも厳重に警戒が必要だ。
　また、台風周辺の発達した雨雲により雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるため、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水、落雷、竜巻などの激しい突風に注意、警戒が必要となる。さらに、奄美でもうねりを伴った高波に警戒が必要だ。

本州付近も不安定　激しい雷雨の所も

　一方、台風から遠い本州付近も安定して晴れる所は少なくなりそうだ。前線や台風周辺の湿った空気の影響をうけるため、曇りや雨の所が多い見込み。
　すでに近畿、東海、北陸、東北を中心に雨雲がかかっているが、このあとも同じような所で雨が降りやすくなりそうだ。

　特に東日本や西日本の太平洋側を中心に局地的には雷を伴って非常に激しく降るおそれがあるため、土砂災害や河川の増水、低地の浸水、落雷、突風などに注意が必要となる。雨マークがない所でも、不安定な空模様となるため、雨への備えはしておいた方が良さそうだ。

東海以西は蒸し暑い　猛暑日予想も

　日中の気温は東海から西日本では30℃を超える所が多く、蒸し暑くなりそうだ。
　特に九州北部では35℃以上の猛暑日になる所があり、日田(大分県)では37℃まで上がる予想となっている。
　一方、涼しい朝を迎えている関東や北日本では、日中もあまり気温が上がらない見込み。東京の最高気温は27℃予想で、9月中頃の気温となりそうだ。
（気象予報士・多胡安那）