“折り紙ユニ”の日本代表、歴代W杯ユニフォームの「斬新デザイン」はこんな感じ

29日に発表となった2022新ユニフォームが話題の日本代表。

新ユニのデザインは2002年日韓ワールドカップでの折り鶴に着想を得たORIGAMI(折り紙)がテーマだ。

日本代表といえば、これまでにも斬新なユニフォームデザインでファンを驚かせてきた。ここでは、そんな日本代表が歴代ワールドカップで着用したホームキットと、そのデザインテーマを詳しくご紹介したい。

勝色(2018年)

日本代表 2018 adidas ホーム(2018年ロシアW杯モデル)

テーマは『勝色』。“かちいろ”または“かついろ”と読む。この日本伝統の深く濃い藍色は、戦国武将たちが戦いに挑む際に身にまとった「鎧下」に使われていたという。全体にあしらった約800個の点線は「刺し子柄」で、歴史を紡ぐ糸をイメージしている。

発表当初はキリトリ線と揶揄された刺し子柄が日本国内で賛否両論だったが、海外ではわりと好評だった一着。もっとも、ロシア大会が終わった頃には国内でも人気上昇した印象である。

円陣(2014年)

日本代表 2014 adidas ホーム(2014年ブラジルW杯モデル)

2014年モデルのデザインテーマは『円陣』。選手がピッチ上で円陣を組むと、背中にあしらった蛍光色の「結束の一本線」がつながり一つの輪になるというデザインコンセプトで、その発想が実にユニークな一着。

前面にはエンブレムから放射状に伸びる11本のラインをデザインしていたが、これは円陣を組み終えた後に各ポジションへ移動する11人の選手をイメージしたものだった。

革命の羽(2010年)

日本代表 2010 adidas ホーム(2010年南アフリカW杯モデル)

『革命に導く羽』をテーマにしたデザインで、通称“革命の羽モデル”と呼ばれるユニフォーム。ここでいう革命とは、当時の岡田武史監督が目標に掲げた“W杯ベスト4入り”を指していた。

シャツ前面に描く「三本足のカラス(八咫烏)の羽」グラフィックが特徴なデザイン。エンブレムは黄色を基調としたデザインを変更し、1995年以来となる白赤の日の丸カラーが復活となった。

日本刀(2006年)

日本代表 2006 adidas ホーム(2006年ドイツW杯モデル)

ジーコ・ジャパンやオシム・ジャパンの時代に使われたユニフォームで、デザインのテーマは『日本刀』。日本の伝統と技術の象徴であり世界的に評価の高い日本刀。両脇に美しく描く流線形のグラフィックは、その刀身に現れる波打つ模様の“刃文”をイメージしたものだった。

当時、W杯を戦う代表チームへのキャッチフレーズを選ぶ投票の結果、「SAMURAI BLUE 2006」に決定。これが現在の愛称「SAMURAI BLUE」の原点となった。ユニデザインが日本刀なだけに、まさに侍なユニフォームである。

富士山(2002年)

日本代表 2002 adidas ホーム(2002年日韓W杯モデル)

韓国と共催での自国開催となった2002年日韓ワールドカップ。その大会でのユニフォームは『富士山』がテーマだった。ブルーを基調としたシンプルなデザインに、Vネックから袖にかけて延びるレッドのパイピングで日本の象徴である富士山を表現している。

当時のadidasキットは高温多湿な時期の試合対策で裏地にメッシュを使った二重構造を採用。さらには軽量化を図り、それまでのユニフォームから一歩進んだテクノロジーを用いたモデルだった。

炎(1998年)

日本代表 1998 Asics ホーム(1998年フランスW杯モデル)

現在までの歴代ワールドカップモデルで唯一、adidas以外のブランドによるユニフォーム。デザインのテーマは『炎』で、不動明王が背負う「迦楼羅炎(かるらえん)」をモチーフにしたもの。この炎を全身で表現したゴールキーパーユニフォームは、98年W杯でメキシコ代表の“アステカユニフォーム”に匹敵するインパクトを残した。

ちなみに炎モデルは、1996年から99年にかけて使用。当時はPuma、adidas、asicsが持ち回りでサプライヤーを担当していたが、同じ時期でも各世代のチームごとにサプライヤーが異なるという複雑な方式だった。

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