神奈川の観光・宿泊 “自由な夏休み”に復活手応え

11年ぶりにリニューアルされた新江ノ島水族館のイルカショーの様子(同水族館提供)

 新型コロナウイルス禍で3度目の夏は、流行「第7波」の到来で新規感染者数が急増したものの、行動制限が設けられないまま幕を閉じようとしている。3年ぶりの“自由な夏休み”は、観光業界に潤いをもたらしたのか。県内の施設に集客状況を聞いた。

◆えのすい コロナ前の9割

 「結果的にはコロナ禍前と同じようにお客さまを迎えられた」

 新江ノ島水族館(藤沢市)の担当者は声を弾ませた。夏休み期間中の来館者数は、コロナ禍前の2019年を基準にすると約9割まで回復。行動制限の影響などで約5割にまで激減した20年、7割程度にとどまった21年の実績を大幅に上回った。

 今夏は、毎年恒例だった夜間の営業時間延長企画を復活。ブラックライトを当てると体色が変化する生き物の観賞イベントなどを実施し、好評を博した。7月に江の島沖で発見された新種のクラゲや、今月誕生したばかりのアカウミガメの赤ちゃんなど、新たな仲間の展示も追い風になったという。

 こまめな手指の消毒を呼びかけたり、混雑が激しいお盆期間中は事前予約制を敷いたりと、感染対策には心を砕いた。担当者は「コロナ禍も3年目に入り、協力を得やすくなっている」と話した。

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