開幕2連勝のプレマ、圧勝で今季3勝目。GTEはプロトンが連勝/ELMS第4戦バルセロナ

 スペイン、バルセロナのカタロニア・サーキットで8月28日、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第4戦の決勝レースが行われ、プレマ・レーシングの9号車オレカ07・ギブソン(ロレンツォ・コロンボ/フェルディナンド・ハプスブルク/ルイ・デレトラズ組)が優勝。チャンピオンシップでのリードを拡大した。

 このトリオは、デレトラズが総合2位となった65号車オレカ07(パニス・レーシング)に22秒926の大差をつけてフィニッシュする圧勝でレースを締めくくり、ポール・リカールで行われた開幕戦ル・キャステレ、第2戦イモラでの連勝のあと、第3戦モンツァを挟んでシーズン3勝目をマークしている。

 7番手グリッドからスタートした9号車オレカは、ハプスブルクのドライブで1周目に4番手にポジションアップすると、その後も順位を上げていき18周目にはトップに浮上した。それ以前はポールシッターの65号車オレカ07が総合首位に立っていた。

カタロニア・サーキットで行われた2022年ELMS第4戦バルセロナのスタートシーン

 順位を落とした65号車は、スタートドライバーを務めたジュリアン・キャナルがスタート手順違反を犯したため5秒のタイムペナルティを受けた。

 また、終盤のピットストップの違反でさらに10秒のペナルティを受けることに。それにもかかわらず、キャナル/ニコ・ジャミン/ヨブ・バン・ウイタートのトリオは総合2位を守り、表彰台を獲得している。

 ポディウムの最後の場所を確保したのは、2番手グリッドからスタートした37号車オレカ07(クール・レーシング)だ。このクルマはニコラ・ラピエールのドライブ中に右フロントにダメージを負い、ピットストップ中にノーズ交換を行ったためにタイムを失ったが、トップと同一ラップで総合3位フィニッシュを果たした。

 なお、総合4位となった22号車オレカ07(ユナイテッド・オートスポーツ)以下は、総合5位でLMP2プロ・アマクラスのウイナーとなった83号車オレカ07(AFコルセ)を含め周回遅れとなっている。

 LMP3クラスはインターユロポル・コンペティションの13号車リジェJS P320・ニッサン(ニコ・ピノ/ギリェルメ・オリベイラ/チャールズ・クルーズ組)が、レース後のシケインカットによる10秒加算ペナルティを乗り越えて優勝した。彼らはクラス2位でフィニッシュした4号車デュケインD08・ニッサンに対して15.205秒のギャップを持っていたため、勝利を逃さずに済んだ。

■表彰台まで約3秒届かなかった木村武史組フェラーリ

 一方、GTEではジャンマリア・ブルーニがレース終盤に追い上げ、プロトン・コンペティションの77号車ポルシェ911 RSR-19に勝利をもたらした。

 ポルシェのワークスドライバーとしてWEC世界耐久選手権LMGTEプロクラスでも活躍するブルーニは、フィニッシュまで残り23分で55号車フェラーリ488 GTEエボ(スピリット・オブ・レース)をパスしてクラス首位に立ち、最終的に14秒392の差をつけてゴールした。この結果、77号車ポルシェのクリスチャン・リード/ロレンツォ・フェラーリ/ブルーニ組は前戦モンツァに続き2連勝を達成している。

 クラス2位はレース終盤に逆転を許した55号車フェラーリ。同3位には序盤にレースをリードしながら、マイケル・ファスベンダー駆る93号車ポルシェ911 RSR-19(プロトン・コンペティション)に接触したことでドライブスルーペナルティを受けて順位を落とした66号車フェラーリ488 GTEエボ(JMWモータースポーツ)が入っている。木村武史も乗り込んだ57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)は表彰台まであと一歩のクラス4位に。66号車とのギャップは3.138秒だった。

 ELMSの次戦第5戦は、9月23~25日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催される。

AFコルセの88号車オレカ07・ギブソン(フランソワ・ペロード/ニクラス・ニールセン/アレッシオ・ロベラ組) 2022年ELMS第4戦バルセロナ
インターユロポル・コンペティションの13号車リジェJS P320・ニッサン 2022年ELMS第4戦バルセロナ
プロトン・コンペティションの77号車ポルシェ911 RSR-19 2022年ELMS第4戦バルセロナ

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