「療養証明対応が整う前は難しい」郡仙台市長が宮城県の全数把握見直しに強い懸念

仙台市の郡市長は、新型コロナ患者の全数把握の見直しが宮城県で9月2日から始まることについて「療養証明の対応が整わないうちに始めるのは難しい」と強い懸念を示しました。

全数把握について政府は、高齢者や重症化リスクの高い患者などに限定することを認めていて、宮城など4県で9月2日から適用する方針です。

村井知事は政府に対し、把握の対象から外れた患者にも医療保険の請求などに必要な療養証明書の発行を求めていて、仙台市の郡市長はこの問題が解決しない場合、9月2日からの開始は難しいと強い懸念を示しました。

郡市長「医療保険の請求に必要となる療養証明書の取り扱いが、しっかり固まらないとなかなかこれは難しいのではないか。公平性も担保できませんしいろんな不正みたいなものもはびこってくるかもしれない」

仙台市では適用された場合、対象外になった患者からの制度変更の問い合わせや、体調が悪くなった場合に対応する相談窓口の人員を2倍にして対応するということです。

また、医療機関を通じて対象外の患者に療養方針などを記したチラシの配布を検討しています。

県市長会の伊藤康志大崎市長らが県庁を訪れ、全数把握の見直しについて取り組みの方向性は評価する一方、県民への周知の徹底を申し入れました。

伊藤康志大崎市長「現状の医療ひっ迫状況をできるだけ解消するという取り組みは私たちも賛意を表するし期待をする。ただもうすぐ制度が変わっていくという形の中で県民の方に周知なり不安を与えないような形でしっかりとやっていただきたい」

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