特別列車の鳳凰エンブレム公開 新見美術館、写真やジオラマも

特別公開されている鳳凰のエンブレム

 新見美術館(新見市西方)は、県内で開催中の大型観光企画「岡山デスティネーションキャンペーン」(9月末まで)に合わせ、昭和天皇、皇后両陛下が乗車された特別列車に使われた蒸気機関車「D51 838」の鳳凰(ほうおう)エンブレムなど約30点を特別公開している。県内外から鉄道ファンらが訪れており、興味深そうに見入っている。9月4日まで。

 両陛下は1971年に島根県で開かれた全国植樹祭に出席後、伯備線を経由して岡山駅へ。新見駅や沿線では多くの住民が歓迎した。その特別列車をけん引したのが、当時の新見機関区が所有していた「D51 838」だった。

 会場では、現在は京都鉄道博物館(京都市)に収蔵され、新見への里帰りはおよそ半世紀ぶりという、鳳凰をモチーフにしたエンブレム2点(直径92センチ)をはじめ、ナンバープレートなどを公開。新見駅到着の際の姿や、同機関区の様子を写した写真なども並ぶ。

 このほか、1980年ごろの同駅周辺を再現したジオラマ(縦1.2メートル、横3.6メートル)も設置されている。

 訪れた会社員(49)=新見市=は「当時はこのエンブレムを付けて走る蒸気機関車が実際に見られたのだと思うと感慨深い。写真も多く、その頃の様子が伝わってくる」と話していた。

 午前9時半~午後5時。入館料は一般800円、大学生500円、中高生300円、小学生200円。問い合わせは同美術館(0867―72―7851)。

 「D51 838」は引退後、井倉洞(新見市井倉)近くに展示されている。

1980年ごろの新見駅周辺を再現したジオラマ

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