平塚市がライスセンター新設へ 24年創業目指す 「スマート農業」を推進

平塚市役所

 農業の担い手不足や耕作放棄地の広がりを防ぎ、コメ農家の生産性を向上させるため、平塚市は農業者の発起人グループ、JA湘南と連携して稲作の全行程を請け負う収穫施設「ライスセンター」を同市金田地区に新設する。2024年4月の創業を目指しており、ITを活用した「スマート農業」の拡充に向けた取り組みも加速させる。市は整備支援の補助金として、22年度一般会計補正予算案に約2億3600万円を計上した。

 同市は県内屈指の米どころで野菜や酪農も盛んだが、近年は高齢化や後継者不足から生産者数が減少し続けている。加えて、高額農機具の購入負担で農業を断念せざるを得ない生産者も増えたことから、地域の農家有志が共同出資して07年に「湘南ライスセンター」(同市大島)を設立。他の農家から稲作作業の全行程を引き受ける組織作りを構築してきた。

 市によると、同センターは需要の高まりから現在、年間約50ヘクタールの水田を受託。現状ではこれ以上受託量を増やすのが困難な状況で、新たにライスセンター建設の必要性が生じたという。

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