この夏の移籍市場でも様々な動きがあった。
ここでは、いまから4年前の2018年夏に最も高額な移籍金で取引された選手たちを振り返ってみる。なお、当時はワールドカップが終わったタイミングであり、その点が今年とは異なる。
10位 ファビーニョ
移籍金:4500ユーロ(61億円)、当時24歳
モナコからリヴァプールに移籍
レアル・マドリーでも1試合だけプレーしたことがあるブラジル代表MF。
レアル時代は右サイドバックだったが、モナコでボランチにコンバートされるとブレイクを果たした。
リヴァプールでは1年目こそ不発に終わるも、2年目からは実力を発揮。緊急時にはCBとしても起用されるなど、ユルゲン・クロップ監督から大きな信頼を寄せられている。
9位 ジョルジーニョ
移籍金:5700ユーロ(78億円)、当時26歳
ナポリからチェルシーに移籍
ブラジル生まれながらイタリア代表になったMF。
実はマンチェスター・シティ入り寸前だったが、恩師マウリツィオ・サッリ監督が就任したチェルシーへと電撃移籍した。
そのサッリ監督は1年でチームを去ることになるものの、ジョルジーニョはチェルシーでの地位を確立。
2021年にはCL優勝、イタリア代表としてもEURO制覇を成し遂げ、バロンドール投票で3位になるなど大躍進を遂げた。
だが、2022年W杯予選では得意のはずのPKを失敗してしまい、チームもプレーオフでまさかの敗退。自身初のW杯出場を逃すことに…。
ちなみに、香川真司は彼のPKを参考にしていたそう。
8位 フレッジ
移籍金:5900万ユーロ(80億円)、当時25歳
シャフタールからマンチェスター・ユナイテッドに移籍
今年夏の日本戦で来日もしたブラジル代表MF。
彼もマンチェスター・シティへ移籍する可能性があった選手だ。2018年1月にシティが5000万ユーロ(62億円)ほどの正式オファーを送るも、当時のシャルタールはCLを戦っていたために拒否された。
ユナイテッドでは加入1年目は酷評されたが、2年目以降は徐々に本領を発揮。
ただ、市場価値がピークだったのは5000万ユーロ(68億円)の2018年がピークで、29歳になった現在は2000万ユーロ(27億円)に下がっている。
7位 ナビ・ケイタ
移籍金:6000万ユーロ(82億円)、当時23歳
RBライプツィヒからリヴァプールに移籍
レッドブル・ザルツブルグから移籍したライプツィヒでブンデスリーガを席巻する活躍を見せ、一躍時の人になったギニア代表MF。2017年にリヴァプールが獲得にこぎ着けると、翌年に正式加入した。
リヴァプールではザルツブルクで同僚だった南野拓実と仲良しでよく一緒にいた。
6位 アリソン
移籍金:6250万ユーロ(85億円)、当時25歳
ローマからリヴァプールに移籍
いまや世界最高の守護神となったブラジル人GK。
失格の烙印を押されたロリス・カリウスの代役として獲得されると、リヴァプールに欠かせない絶対的な存在に。85億円という移籍金は格安だったといえる。
2021年5月のWBA戦では、100年を超える歴史を持つリヴァプールのGK史上初となるゴールも決めている。
5位 リヤド・マフレズ
移籍金:6780万ユーロ(92億円)、当時27歳
レスターからマンチェスター・シティに移籍
2015-16シーズンのプレミアリーグで岡崎慎司らとともにレスターの歴史的優勝に貢献したアルジェリア代表FW。
フランス2部時代は知る人ぞ知る好選手という存在だったが、そこから世界最高峰のチームへと成り上がりを果たした。
シティでも主力として活躍を続けており、ジョゼップ・グアルディオラ監督も「私はリヤドに恋している。彼は素晴らしい選手であり、素晴らしい人間でもある」と惚れ込んでいる。
4位 トマ・レマール
移籍金:7200万ユーロ(98億円)、当時22歳
モナコからアトレティコ・マドリーに移籍
CLベスト4と大躍進した2016-17シーズンのモナコで一躍ブレイクしたフランス代表MF。
破格の移籍金でアトレティコに引き抜かれるも、本人も認めたようにスペインでは適応に苦しみ大不振に陥った。
その後、サイドではなく中央での起用を志願したこともあり復調を見せており、市場価値も4000万ユーロ(54億円)にまで戻ってきた。
3位 ケパ・アリサバラガ
移籍金:8000万ユーロ(109億円)、当時23歳
アスレティク・ビルバオからチェルシーに移籍
当時のチェルシーはレアル・マドリーに移籍する守護神ティボー・クルトワの後釜を探す必要があった。
そこでスペインで将来を嘱望されていたケパをGK史上最高額となる移籍金で引き抜いた(現在でもGKとしては史上最高額)。
1年目こそまずまずのプレーを見せたが、2年目以降は失速。控えに降格すると、エドゥアール・メンディに正GKの座を完全に奪われてしまった。
27歳になった現在の市場価値は1000万ユーロ(13.7億円)にまで下がっている。
2位 クリスティアーノ・ロナウド
移籍金:1.17億ユーロ(160億円)、当時33歳
レアル・マドリーからユヴェントスに移籍
移籍はありえないアンタッチャブルな存在と思われていただけに、その電撃移籍は世界を震撼させた。
移籍から24時間で52万枚ものユニフォームが売れるなど社会現象化したほど。
33歳にして100億円を超える移籍金で取引されたが、こんなケースは2度とないかもしれない。
イタリアでも134試合で101ゴールという結果は残したが、ユーヴェの悲願である1995-96シーズン以来となるCL優勝は果たせず。
1位 キリアン・エムバペ
移籍金:1.8億ユーロ(246億円)、当時19歳
モナコからPSGに完全移籍
ティエリ・アンリを上回る16歳と347日というモナコ史上最年少でデビューしたスピードスター。
CLベスト4と大躍進した2016-17シーズンのモナコで一躍名を知らしめると、2017年夏にPSGへローン移籍。翌年に200億円を超える破格の金額で完全移籍した。
その契約は2022年夏までだったが、レアル・マドリーへの移籍を封印してパリ残留を決断している。
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すでにPSGでの通算得点数は歴代2位となっており、歴代1位のエディンソン・カバーニを超えるのは時間の問題だ。