猛暑 度重なる大雨 梅雨明けは大幅な見直し 2022年夏の天候まとめ

 気象庁は1日(木)、夏(6~8月)の天候のまとめを発表した。東・西日本と沖縄・奄美は夏を通して暖かい空気に覆われやすかったため気温がかなり高く、西日本は1946年の統計開始以降、1位タイの高温となった。また、8月を中心に繰り返し低気圧や前線の影響を受けた北日本の日本海側と太平洋側は、降水量がかなり多くなった。

■6月 記録的高温 

盛夏期と比べても強い太平洋高気圧に覆われた下旬の気温は、東・西日本で1946年の統計開始以降、1位の記録的な高温となった。群馬県伊勢崎市で25日に日最高気温40.2℃、29日に40.0℃を観測した。

■7月 上旬猛暑 

 中旬大雨 7月上旬は暑さが厳しく、1日には群馬県桐生市などアメダスを含む6地点で40℃以上を観測した。その後、中旬にかけては台風4号や前線などの影響で曇りや雨の日が多く、西日本では線状降水帯が発生し、大雨となった所があった。月平均気温は全国的に高く、特に北日本でかなり高かった。

■8月 上旬「大雨特別警報」  

 上旬は前線や湿った空気の影響で、北・東日本の日本海側を中心に大雨となり、3日に山形県、4日には新潟県に大雨特別警報が発表された。一方、厳しい暑さが続き、東京で日最高気温35℃以上の猛暑日が16日となり、年間最多記録を更新した。

梅雨明け 確定値は1か月近く後ろ倒し

 気象庁は6月27日~29日に、九州南部~東北南部の9つの地方の梅雨明けを「速報値」として発表した。統計がある1951年以降、7つの地方で最も早い梅雨明けとなったが、その後は7月中旬にかけて大雨となった所があった。気象庁はこうした不順な天候を梅雨前線による影響とし、「梅雨は6月下旬以降も、記録的猛暑を挟みつつ、7月下旬ごろまで続いた」と判断。九州南部~東北南部の梅雨明けを大幅に見直し、およそ1か月遅い7月下旬に変更した。 

 気象庁は例年、梅雨入りや梅雨明けの時期について、春から夏にかけての天候の経過を振り返ったうえで、9月に「確定値」を発表しているが、「速報値」と「確定値」の日付がおよそ1か月も変更された例はこれまでになかった。なお、東北北部・南部と北陸は、8 月上・中旬も前線や湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かったため梅雨明けが特定できなかった

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