北陸の梅雨明けは史上最速でなかった…気象庁が確定値で一転「特定できない」 7月中旬以降に曇りや雨続く

梅雨入りが宣言され、雨にぬれて鮮やかに咲くアジサイ=6月14日、福井市文京3丁目

 気象庁は9月1日、2022年の梅雨入り、明け時期の確定値を発表した。北陸地方の梅雨明けは速報値で観測史上最も早い6月28日ごろとしていたが、確定値では「特定できない」とした。北陸地方の梅雨明けが特定できなかったのは、統計がある1951年以降で4回目。速報値で6月14日ごろとしていた梅雨入りは、同6日ごろに早まった。

 福井地方気象台によると北陸地方は、速報値で梅雨明けを発表した6月下旬から7月上旬までは高気圧に覆われて晴れる日が多かったものの、7月中旬以降になると寒気や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い状態が続いたため、梅雨明けが特定できないと判断された。

⇒福井県内「実はまだ梅雨だった」の可能性

 気象台の観測によると、福井県内の8月の総雨量は、上旬に記録的大雨に見舞われた南越前町今庄で627.0ミリと平年(182.0ミリ)の3倍超に達したのをはじめ、福井市465.5ミリ、越前市武生414.5ミリを含め、3地点でそれぞれ観測史上最多となった。他の多くの地点でも観測史上5番目以内に入る多さだった。

 梅雨入り、明けの時期は速報値で北陸地方と同様に6月下旬としていた九州南部と北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信の7地方をそれぞれ24~28日間ずらし、7月下旬と大幅に修正した。東北南部と北部は特定できないとした。多くの地方で観測史上最速の梅雨明けとされていたが、記録ではなくなった。

 気象庁は、速報値で梅雨明けの根拠とした6月下旬から7月初めの記録的な猛暑は「梅雨の中休みと言っていいような状態」と説明。7月中旬から偏西風の南下に伴う上空の寒気で、大気の状態は不安定になり、梅雨が続いていたと判断した。

© 株式会社福井新聞社