横浜市立支援校で生徒骨折事故 市教委、初動や組織的対応不十分で再発防止策 

横浜市教育委員会

 横浜市教育委員会は2日の定例会で、市立東俣野特別支援学校(戸塚区)で2017年11月に起きた生徒の骨折事故について報告した。初動対応や組織的対応が不十分だったとして、再発防止に取り組む考えを示した。

 市教委によると、同月29日午前11時20分ごろ、重度の重複障害がある高等部2年の女子生徒が、教員による介助や体位変換を受けた後に、全身を緊張させて震える異変を示した。教員は発熱の前兆とみて様子を見たが右足に触れると痛がったため、2時間20分後に救急搬送を依頼した。骨折と診断され約2カ月間入院したものの、原因は特定できなかった。

 有識者でつくる「市学校保健審議会学校安全部会」の報告書によると、骨折の原因が特定できていないにもかかわらず、本人が足を伸ばした際に生じた可能性が高いと早期に結論づけたことを問題視。複数の教員が保護者に連絡し情報が錯綜(さくそう)するなど組織的対応が不十分だったことが保護者の不信感を増大させた、と指摘した。

 市教委は、症状を特定し搬送するまで時間を要したことから初動対応の強化のほか組織的対応の徹底などを柱とする再発防止策を示した。

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