福井県立鯖江高校で9月2日、3年ぶりに全学年合同の学校祭が開かれ、生徒会が企画した「お化け屋敷」がひときわ人気を集めた。新型コロナウイルスの影響で青春を謳歌できなかった高校生へのエールを込め、東京で活躍する専門のプロデューサーが監修。“プロ仕込み”の本格アトラクションに生徒たちは「一生の思い出になった」と笑顔を見せた。
お化け屋敷は、生徒会副会長の小辺愛理さん(3年)、金森のの子さん(同)らが企画。鯖江市の「鯖江アオハル思い出事業」の補助や地元の丹南ケーブルテレビ(越前市)の協力を得て、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さん(64)に監修を依頼した。
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タイトルは「呪首(のろいのくび)」。村のいけにえになった娘の首を、ほこらに届けるという筋書きで、演出も含め小辺さんらが一から考案。対面やオンラインで五味さんの助言を受け、「ホラーが苦手」と話す金森さんの意見も踏まえ「全校生徒が楽しめるよう工夫した」という。
会場の同校上野ケ原会館には、長蛇の列ができた。生徒たちは、入り口のタブレット端末でストーリーを紹介した動画を見てから屋敷内へ。リアルな生首や、発泡スチロールで精巧に作られた墓などのセットが恐怖心をそそり、障子から手が出たり、死体を装った生徒が動き出すと「キャー」と悲鳴を上げていた。
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小辺さんは「苦労も多かったけど、みんなの笑顔を見て全部吹き飛んだ」と満足そうに笑みを浮かべた。
お化け屋敷は丹南ケーブルテレビがVR(仮想現実)化し、この日参加できなかった生徒や保護者らにも後日、映像で体験してもらう予定。