BMW Mハイブリッド V8、夜間走行含むテストを終え“次のステージ”へ。レースリバリー発表日も判明

 2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、および2024年のWEC世界耐久選手権に参戦予定のBMWの新型LMDh車両『Mハイブリッド V8』は、7月のシェイクダウン以降、イタリアとスペインで重ねてきたテストを完了。2023年1月のデイトナ24時間レースでのデビューに向け、今後はテストの舞台をアメリカへと移す。

 BMW Mモータースポーツは9月2日、これまでのテストで夜間走行を行ったことも明らかにした。公開された写真では特徴的な車両前後のライト類も初めて披露されたほか、2023年からBMWのファクトリードライバーとなることが決まったレネ・ラストを含め、すでにこの車両のステアリングを握った10名のドライバーの名が公表されている。

 BMWは8月15〜19日にスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで5日間のテストを行ったが、この直後の8月22〜23日には同じくスペインのモータランド・アラゴンへと場所を移し、さらなるテストを続けたという。ラストはこのテストにおいて、BMW Mハイブリッド V8をドライブしたようだ。

 アウディで3度のDTM王座を獲得し、来季よりBMW陣営へ移籍するラストは今後、BMWにおけるスポーツカードライバーとしての役割と、FIAフォーミュラE選手権に新加入するマクラーレンの一員としての役割を、両立させていくものとみられる。ただし、2023年のBMWにおける彼の参戦カテゴリーは、まだ発表されていない。

 現在までのヨーロッパのテストではラストのほか、コナー・デ・フィリッピ、シェルドン・ファン・デル・リンデ、アウグスト・ファーフス、ニック・イェロリー、マルコ・ウィットマン、フィリップ・エング、ダン・ハーパー、ニール・ヴァーハーゲン、マックス・ヘッセがMハイブリッド V8をドライブしたことを、BMWは今回明らかにしている。

開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
スペインのモーターランド・アラゴンで開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
BMW Mハイブリッド V8の開発テストに参加したアウグスト・ファーフス

 ヨーロッパのテストでは、夜間走行や雨天での走行もすでに経験済みのMハイブリッド V8。モータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースによれば、BMWは今後アメリカでのテストで「次の開発ステージに入る」とのことだ。

 また、チームRLLの2台体制でのウェザーテック選手権GTPクラス参戦に向け、BMWはこれらのテストに「さまざまなドライバーを起用」する予定だという。

「BMW Mハイブリッド V8の最初の数週間のテストはうまくいった」と、ルースは述べている。

「多くの距離を走り、その間に新車にはつきものの弱点が明らかになり、そのうちのいくつかはすでに解決している」

「さらに、プロトタイプのハンドリングを早期に把握するために、できるだけ多くのドライバーからフィードバックを得ることが重要だった。この初期段階での彼らの反応は非常にポジティブで、誰もが我々のLMDhマシンがすでに示しているポテンシャルに感銘を受けている。今後数カ月は、このような状況が続くだろう」

「ヨーロッパでのテストでは、良い基礎を築くことができた。いま、我々はアメリカで次なる開発ステージへと入っていく」

 BMW Mモータースポーツは、9月22日にアメリカ・ロサンゼルスのピーターソン博物館でのイベントにおいて、BMW MハイブリッドV8のレース向けのリバリー(カラーリング)を発表する予定であると、明らかにしている。

開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
BMW Mハイブリッド V8の開発テストに参加したフィリップ・エング
スペインのモーターランド・アラゴンで開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8
スペインのモーターランド・アラゴンで開発テストを行うBMW Mハイブリッド V8

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