<金口木舌>持続可能な海のために

 名古屋大などの研究グループが小笠原海溝の最深部付近9801メートルの海底に有人潜水船で到達し、日本人の有人の最深潜航記録を更新した。真っ暗な海の底にも生物が息づいていた

▼相模湾の海底でインスタントラーメンの袋やバケツなどプラスチックごみが見つかった。分解されず長期間、残る可能性がある。私たちが何気なく捨てるごみは海底にも達する

▼宮古や石垣の海ではサンゴの白化が深刻化する。海水温の上昇に加えて、陸上からの流入物が白化に拍車を掛けているという。日々の生活を見直すことはもちろん、専門家は行政の施策も求めている

▼海底の生命も美しいサンゴも、長い年月をかけて命をつないできた。それが人間の行動で、短期間で失われることがある。環境のバランスが崩れれば私たちの生活にも悪影響が出るだろう

▼海の環境を壊さないために何ができるか、一人一人が真剣に考えたい。選挙で環境施策にも目を通して投票することも手段だ。美しい海を持続可能にするためにも、行動することが第一歩になる。

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