ポートランド・インターナショナル・レースウェイで開催されたNTTインディカー・シリーズ第16戦。4日に行われた決勝レースは、ポールポジションからスタートしたスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が終始レースをコントロールし今季3勝目を飾った。
佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)は、終盤のペナルティも響き追い上げ届かず18位でレースを終えた。
雲ひとつなく晴れ渡ったポートランド・インターナショナル・レースウェイ。スコット・マクラフランを先頭に110周のレースがスタートする。
毎年アクシデントが多発する鬼門のターン1を各車クリアに通過する。3番手スタートのクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が2番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を交わし2番手に浮上。
5番手のパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)もアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)を交わし4番手、10番手スタートのデイビッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)も6番手にジャンプアップする。
3ストップのフューエルウィンドウに入ると数台がピットへと向かう。14番手を走行していたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)も14周目にピットインする。翌周、ニューガーデンもピットインしブラックタイヤからレッドタイヤへ変更。
16周目には5番手のパロウが上位陣では最初にピット作業を行い、18周目に3番手のパワーもピットインを行う。
3秒差をつけトップを走るマクラフランは21周目にピットイン。翌周にルンガーもタイヤ交換を行うも少し作業が遅れ、パワーに先行される。
18番手からスタートしたマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)は、32周を走行してピットイン。ほかのドライバーと違うストラテジーを選択する。
トップはマクラフラン。7秒差でパワー、3番手にルンガー、オワード、パロウ、ニューガーデンと続き、ディクソンは10番手に。
45周目を過ぎると2回目のピットインへと各車向かい始める。48周目、3番手のルンガーがピットイン。マクラフランも翌周ピットインしブラックタイヤに変更。パワー、オワードも同じ周にピット作業を行う。
55周目、ニューガーデンがルンガーをオーバーテイクし4番手に浮上する。
ノーコーションのままレースは進み、マクラフランがトップを快走。4秒差でパワー、オワード、ニューガーデンという展開でラストのピット作業が近づいていく。
トップ4は79周目終わりで一斉にピットイン。ピット作業で順位は変わらず、ニューガーデンのみブラックタイヤでラストスティントへ。
84周目、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)がリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)に押し出されウォールにクラッシュ。このレース最初のイエローコーションとなる。
レースは89周目にリスタート。ターン1で3番手のオワードがパワーのインを差し接触。その間をついてディクソンがニューガーデンを交わし4番手に浮上する。
サイドポンツーンを壊したオワードは、ディクソンに交わされ4番手に。ブラックタイヤのニューガーデンは厳しく、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)に抜かれると次々にポジションを落とし9番手まで下がってしまう。
95周目、7番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)に迫ったルンガーが止まり切れずターン1でオーバーラン。シケインのパーツを拾ってしまい大きくポジションを落とす結果に。
マクラフランは1秒差でリードを続け、ポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げた。パワーが2位、3位は16番手スタートのディクソンが入った。
混戦のチャンピオン争いは、パワーが523ポイントでニューガーデン、ディクソンに20ポイント差をつけ、有利な展開で最終戦へと挑むこととなった。
■NTTインディカー・シリーズ第16戦ポートランド決勝レース
Pos. No. Driver Team Engine Laps SP
1 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 110 1
2 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 110 2
3 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 110 16
4 5 P.オワード アロウ・マクラーレンSP C 110 5
5 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 110 11
6 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 110 7
7 27 A.ロッシ アンドレッティ・オートスポート H 110 9
8 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 110 8
9 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 110 14
10 7 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレンSP C 110 6
11 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 110 18
12 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 110 4
13 14 K.カークウッド A.J.フォイト・レーシング C 110 13
14 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 110 10
15 45 J.ハーベイ レイホール・レターマン・ラニガン H 110 17
16 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 110 24
17 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 110 21
18 51 佐藤琢磨 デイル・コイン・ウィズ・RWR H 110 22
19 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 110 15
20 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 110 12
21 30 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 110 3
22 4 D.ケレット A.J.フォイト・レーシング C 109 25
23 60 S.パジェノー メイヤー・シャンク・レーシング H 100 19
24 48 J.ジョンソン チップ・ガナッシ H 82 23
25 20 C.デイリー エド・カーペンター・レーシング C 67 20