川崎・マンションで男性殺害 交際の女に懲役15年判決 横浜地裁

横浜地裁

 川崎市高津区のマンションで、交際していた男性=当時(35)=を殺害したとして、殺人罪に問われた無職の女の被告(31)の裁判員裁判で、横浜地裁(奥山豪裁判長)は5日、懲役15年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。

 奥山裁判長は判決理由で、事件の3日前に別れを告げられた被告が男性宅を訪問したが、男性の言動などから「もはや関係を修復することはできないと悟り、殺意を抱いた」と指摘。仮に交際中に男性の不誠実な行為や粗暴な言動があったとしても、「(殺害は)飛躍しており、身勝手極まりない」と非難した。

 さらに犯行後は「(男性から)『一緒に死んだら楽になる』と持ち掛けられた」「(男性から)ナイフで刺されそうになって刺した」と虚偽の説明を家族や消防関係者にし、「被害者に責任をなすりつけて自己保身を図ろうとするもの」と断じた。

 争点となっていた計画性の有無については、「特段の準備をしていたとまでは認められない」としつつも、スマートフォンの入力履歴などから「成り行き次第で被害者を刺すことも念頭にあった」とした。

 判決によると、被告は2020年10月29日、同区の男性方で、殺意を持って男性の胸をナイフで突き刺すなどした上、首をネクタイで絞めて窒息死させた。

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