神奈川県、「当事者目線」の障害福祉推進条例案提案へ 県議会定例会に 黒岩知事「障害福祉の在り方変える」

神奈川県庁

 障害福祉の在り方を見直し、県全体で地域共生社会を実現することを目指し、県は7日開会の県議会第3回定例会に「県当事者目線の障害福祉推進条例案」を提出する。

 2016年7月に相模原市緑区の県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件をきっかけに、県は障害者一人一人の意思を尊重した「当事者目線」の支援への転換を目指しており、条例はその具体化に向けた理念・原則を明示する「基本的な規範」と位置づける。罰則はなく、来年4月の施行を目指す。

 黒岩祐治知事自身が、当事者らの声に耳を傾けて必要な施策を練り上げてきたと自負する肝いり施策で、障害者の意思決定支援や権利擁護、差別の解消、虐待の防止などの施策を盛り込む。施策を進める上で、県の責務や市町村との連携の在り方、県民、事業者の責務なども規定する。

 知事は5日の定例会見で「障害のある人を施設に縛り付けたり、閉じ込めたりするような対応を根本的に変えていかなくてはならない」とし、「条例は障害福祉の在り方を変える使命を担っている。当事者らと議論を重ねてきたので、しっかり仕上げていきたい」と述べた。

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