伝統のアクロポリス・ラリー・ギリシャが今週9月8日(木)に開幕し、週末の11日(日)にかけて中央ギリシャのラミアを中心に開催される。ここでは、前戦イープル・ラリー・ベルギーから今ラウンドまでの間に発信されたWRC世界ラリー選手権関連の話題を簡単に紹介する。
■クルマの修復が間に合わない
今シーズンのWRCに『フォード・プーマ・ラリー1』を投入しているMスポーツ・フォードWRT。イギリスの名門チームは週末のラリーに5台のラリー1カーを投じるが、そのなかにアドリアン・フルモーのクルマはない。
その理由はイープル・ラリーでのクラッシュにあり、チームがアクロポリス・ラリーに向けてフルモーのクルマの準備を完了させることができないためとされている。これは今季第10戦にフルモーが出場しないことを意味するが、彼は来年以降の準備のためにレッキには参加する予定だ。
■オープニングステージはスタジアム内のスーパーSSで実施
アクロポリス・ラリー・ギリシャの競技初日となる8日(木)は、シェイクダウンを除いてはターマック(舗装路)のSS1のみが予定され、これはアテネのオリンピック・スタジアムが舞台となる。同競技場内には2台のマシンが同時にスタートするタイプの特設コースが作られることになっており、そのコース図と9月4日時点での会場の工事状況が大会公式Twitter(@AcropolisRally)で公開された。
■トヨタ育成3選手はイタリアへ
勝田貴元に続く日本人WRCドライバーを目指しTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加している山本雄紀、小暮ひかる、大竹直生の3選手。彼らは今週末の9日(金)から10日(土)にかけて開催される『ラリー・サンマルティーノ・ディ・カストロッツァ』に出場する。
イタリアで行われるこのラリーは、プログラム2期生の彼らにとって欧州での4戦目。そして、初めてのターマック(舗装路)ラリーとなる。そのためレッキの段階で、すでにこれまでの3戦との勝手の違いなどを感じているようだ。
■オジエ、WRCニュージーランドに参戦へ
今シーズンはエサペッカ・ラッピと3台目の『トヨタGRヤリス・ラリー1』をシェアし、パートタイムでWRCに参戦しているセバスチャン・オジエが、9月29日から10月2日に開催される第11戦ラリー・ニュージーランドでふたたびラリー1カーのステアリングを握ることが決定した。
今季、10年ぶりにWRCイベントとして開催される大会に向けて、2010年にキャリア初優勝を目前で逃したことを念頭に「やり残したことがある」「今年やりたいラリーのリストのトップにあった」と語った現王者は、自身のTwitterを更新し「またそこへ行くのが待ちきれない!」と綴っている。
オジエの今季のラリー参戦は4回目で、過去3回はモンテカルロ、ポルトガル、サファリに出場。最高位は開幕戦モンテの総合2位だ。
■ラトバラとロバンペラがラリー・レジェンド2022に出場
今年で第20回を数える有名なヒストリック・ラリーイベントである『ラリー・レジェンド』に、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表とカッレ・ロバンペラが参戦することになった。
ユハ・カンクネンやディディエ・オリオールといったWRCのレジェンドをはじめ、現役WRCドライバーのフルモー(Mスポーツ・フォードWRT)にクレイグ・ブリーン(Mスポーツ・フォードWRT)、ティエリー・ヌービル(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)、さらに“ドリフト界のカリスマ”とも称されるラリードライバーのケン・ブロックといった面々が過去にクラス優勝を飾っている同ラリーは、10月13~16日にサンマリノで開催されることになっており、TGR WRTの両名は2台の『トヨタ・セリカGT-FOUR』で出場予定。
なお、搭乗するマシンはラトバラが『セリカST165』、ロバンペラは『セリカST185』となることがアナウンスされている。いずれのクルマもラトバラが所有するコレクションの一部だ。