ツキノワグマ大量出没の可能性は…福井県対策連絡会で2022年秋の見通し報告 近年の生息域拡大に警戒感

 福井県は9月7日、ツキノワグマ出没対策連絡会をオンラインで開き、ドングリ類の実り具合を踏まえ「今年の秋は、県内全域での大量出没に至る可能性は低い」と報告した。ただし、近年クマの生息範囲が拡大しているため、山裾の集落を中心に十分な警戒を呼び掛けた。

 エサとなるブナやミズナラの実が凶作の年にクマは大量出没する傾向がある。8月に福井県自然保護センターが行った県内41地点の着果調査を踏まえ、県自然環境課は2019、20年のような大量出没年に比べると実りは良好と説明した。一方で「集落周辺の里山に恒常的に生息しているクマがエサを求めて出没する恐れはある」と述べた。

 クマを集落に引き寄せないために、桝厚生課長は▽山際のやぶを刈り払う▽放置された柿の木を伐採する▽ごみを放置しない―などの対策を挙げた。

 4~8月の出没件数は220件で過去5年で最少。連絡会には県や市町、福井県猟友会、福井県警などから61人が参加した。

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