コロナ「全数把握」簡略化 長崎県、高齢者らに限定

 長崎県は7日、新型コロナウイルス感染者の全数把握を9日から簡略化し、医療機関が保健所に個人情報などを届け出る対象を、65歳以上の高齢者ら重症化リスクの高い人に限定すると発表した。県は2日に国へ見直しを届け出ており、厚生労働相が7日、「9日から適用する」と告示した。保健所のある長崎、佐世保両市も足並みをそろえる。
 業務が逼迫(ひっぱく)する医療機関や保健所の負担を軽減する。届け出対象は▽65歳以上▽入院が必要な人▽重症化リスクがあり、治療薬や酸素の投与が必要な人▽妊婦-に限定する。対象外の感染者については、年代と人数のみを保健所に報告。感染者には健康観察センターが案内され、症状悪化時の相談などに応じる。
 県は、届け出の必要がない人向けに2日、新たに「陽性者判断センター」を設置した。重症化リスクが低く、検査キットによる自主検査で陽性となった人は受診することなく、検査結果や個人情報を同センターにウェブ上で連絡する。検査キットはウェブ上で「長崎県抗原検査キット配布センター」に申し込めば、自宅に無料配送される。
 県などが前日の発生届に基づき毎日公表している新規感染者数は、全体数を簡略化後も従来通り公表。市町別の感染者数は、10日公表分から発生届があった重症化リスクの高い人に限定する。


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