矢掛の石 県内外9人が多彩に彫刻 「のみぎりズム」滞在成果を披露

旧脇本陣前で公開された作品の出来映えを確かめる平敷さん(右)ら彫刻家

 岡山県矢掛町内で産出される2種類の石を使い、県内外の彫刻家が町内に滞在しながら作品を公開制作するアートイベント「ザ・のみぎりズム2022」の作品展示が10日、町中心部の本陣通りで始まった。30日まで。

 全国から若手やベテランまで9人が参加し、「座」をテーマに8月27日から2週間、公開制作。完成した9作品を、同通りの東西約1キロ区間9カ所に展示した。

 国重要文化財の旧脇本陣前には、沖縄県から参加した平敷(へしき)傑さん(34)が20年前に飼っていたヤギをモチーフにした一点を設置。記憶をたどり、優しい雰囲気に仕上げた。

 他にも、3人が寄り添い座れるものや、仏像のような椅子など江戸時代の宿場町の風情が残る町並みに、個性豊かな作品が並んだ。公開制作中に訪れたという倉敷市の女性(67)は「どんな作品になるのか楽しみにしていた。手彫りとは思えないすばらしい作品。ゆっくり散策したい」と話していた。

 期間中はスタンプラリーを実施。9カ所を巡ると、先着や抽選でプレゼントがある。問い合わせは事務局の「やかげDMO」(0866―83―0001)。

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