師匠ブラッド・メルドーも称賛する鬼才、ベンジャミン・ラックナーがECMデビューALリリース

©Sam Harfouch / ECM Records

ドイツ/アメリカ人ピアニスト、ベンジャミン・ラックナーが、ドラムのマヌ・カッチェ、トランペットのマティアス・アイク、ベースのジェローム・ルガールという豪華なカルテットでECMデビュー・アルバム『ラスト・ディケイド』を10月14日にリリースすることが決定。

また、先行トラック「サーキュラー・コンフィデンス」が公開されている。

<YouTube:Circular Confidence

ベンジャミン・ラックナーのECMデビュー作は、カルテットのインタープレイを集中的に研究し、ラックナーが鋭い抑制の感覚をもちながら、この並外れた個性のあるメンバーたちを率いている。

ベンジャミンの作曲には驚くべき叙情性があり、トランペット奏者のマティス・アイク、ドラマーのマヌ・カッチェ、ベースのジェローム・ルガールといったメンバーが、それぞれの個性を音楽に吹き込むための多くの可能性を開いており、この4人の間で繊細なグルーヴと流れるようなソロが生まれるのだ。

ピアニストのベンジャミン・ラックナーとジェローム・ルガールの相性の良さは、ジェロームがベンジャミンのトリオに初めて参加した2006年にまでさかのぼることができる。このトリオは2004年から2019年にかけて6枚のアルバムを制作したが、ジェロームはそのうちの半分に参加。トリオからカルテットへと作曲の枠組みを広げなければならなくなった今、ベンジャミンは新たな機会を認識し、ホーンのメロディのパートナーを得ることに自由を見いだしている。

「このアルバムはアコースティックなものにしようと早くから決めていたので、方向性を定めやすく、ピアノをより身近に感じることができました」とベンジャミンは話す。

続けて、「よりオープンな方法でメロディを構想できるようなグルーヴを見つけることに取り組みました。バンドにホーン奏者がいることで、ピアノで普段とは違うハーモニー・パートを考えなければならなかったし、トランペットをリード・ヴォイスとして考えなければならなかったんです。マティアスのフレージングは、私のメロディの聴き方にぴったりなので、マティアスを意識して書くというのは刺激的な変化でした」と付け加えている。

マヌ・カッチェとマティアス・アイクは、それぞれECMの20枚以上のアルバムに参加し、それぞれ多数のリーダー・ライヴもこなしている実力派。

マティアスは、マヌ・カッチェのECMからのセカンド・アルバム『Playground』(2007年)にも参加。カッチェのドラム・パターンは自然な広がりと独特の主張があり、アイクのトランペットは質感を超越した爽やかな音色を奏でる。「スタジオでは、メンバーたちがとてもオープンマインドで、楽曲のアレンジを手伝ってくれたので、最終的にいくつかの変更を加えて、私の楽曲がまさに必要とする最終的なタッチを与えることができました。マヌーは自発的にユニークなリズムのアクセントを加え、私たち全員にとってすべてが初めてのことだったので、セッションは全体的に新鮮な感覚に包まれました」とラックナー。

ベンジャミンの作曲能力と同様に、サイドメンの優れた能力が完全に発揮できるようなフレームワークを最初から持っていることがとても新鮮な作品となっている。「ピアノとトランペットが同じようにメロディを奏でる、先行トラック「サーキュラー・コンフィデンス」では、より強固なリズムの基盤に切り替わる。

4人のミュージシャンが徹底的に練り上げられたデザインの上で、正確さと互いへの配慮、そしてベンジャミンが強調するように「これまで経験したことのないような方法でインプロヴィゼーションを形作るのを助けてくれた」というプロデューサー、マンフレート・アイヒャーの指導によって、即興演奏を行うという総和が生まれ、各メンバーの長所を生かしながら、より大きなアルバム全体を作り上げている。

本アルバムは2021年9月にペルヌ=レ=フォンテーヌのスタジオ・ラ・ビュイソンヌで録音され、マンフレート・アイヒャーがプロデュースした。ベンジャミン・ラックナーと彼のカルテットは、1月にドルトムント、コブレンツ、レーゲンスブルク、ブリュッセル、オスロなど、ヨーロッパ各地で本アルバムを引っ提げたツアーを行う予定。

■作品情報

ベンジャミン・ラックナー『ラスト・ディケイド』

2022年10月14日(金)
UCCE-1196 SHMCD 税込:¥2,860
CD予約&先行配信はこちら→https://Benjamin-Lackner.lnk.to/LastDecadePR

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