トヨタにとって試練の週末となったWRCギリシャ「将来に向けて改善する必要がある」とラトバラ代表

 9月11日(日)、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ4がギリシャのラミアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合15位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合22位でフィニッシュした。

 総合4番手で競技最終日を迎えたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、マシントラブルによってリタイアとなった。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、トヨタ勢最上位となる総合6位で入賞を果たしている。

 長い歴史と伝統を誇るアクロポリス・ラリーのデイ4は、サービスパークが置かれたギリシャのラミアを中心に、SS14からSS16の計3SSで争われた。ラリー最終日も好天に恵まれ、最高気温は33度前後まで上昇。路面はドライコンディションが保たれた。

 前日のデイ3で順位を上げ、3番手を走るダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)と7.1秒差の総合4番手につけていたエバンスは、表彰台獲得を懸けて戦う1日となるはずだった日曜の朝にエンジントラブルに見舞われる。エバンス組はSS14に向かうロードセクションで修理を試みるも、残念ながら問題の解消には至らず。完走まで残り3ステージとしながらリタイアを余儀なくされた。

 エバンスの戦線離脱により総合7番手につけていた勝田は順位をひとつあげ、トヨタGRヤリス・ラリー1最上位となる総合6位でフィニッシュすることとなった。

 競技3日目に行われたSS9でのコースオフによってトップから大きく遅れたロバンペラは総合15位でのフィニッシュとなったが、最終パワーステージで2番手タイムを記録しボーナスの4ポイントを獲得した。また、同じくデイ3の終盤にメカニカルトラブルに見舞われデイリタイアを喫したラッピも、再出走したデイ4の最終SS16でステージ5番手タイムを記録したことでボーナスの1ポイントを獲得している。総合順位は22位だ。

 TGR WRTにとって試練の一戦となった今季第10戦を終えた時点で、ロバンペラのドライバー選手におけるリードは53ポイントに減ることとなったが、依然として首位をキープしている。また、ロバンペラとラッピがパワーステージでボーナスポイントを獲得したことでマニュファクチャラー選手権でも63ポイント差でランキング首位を守っている

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

■トラブルについては、すでに調査を開始

「我々にとっては非常に困難な週末となり、最終リザルトも良いものではなかった」とギリシャでの週末を振りかえったヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「さまざまな要因が重なってこのような結果になってしまったのだが、なぜうまくいかなかったのかをこの週末から学び、将来に向けて改善する必要がある」

「今朝のエルフィン(・エバンス)のリタイアは最終日をスタートするにあたってとくに残念なことだったし、何が起こったのかすでに調査を開始している」

「一方、カッレ(・ロバンペラ)とエサペッカ(・ラッピ)のふたりが完走し、マニュファクチャラー選手権にとって有効なポイントを獲得してくれたのは良かった。また、パワーステージではさらに5ポイントのボーナスを得ることができた。カッレの走りはとくに素晴らしく、ドライバー選手権でもボーナスの4ポイントを獲得した」

「我々はまだ選手権を大きくリードしているので、次のラリー・ニュージーランドに向けてはポジティブに考えるべきだろう」

 その次戦ニュージーランドは、9月29日(木)から10月2日(日)にかけて今季第11戦として実施される。2012年以来、10年ぶりのWRC開催となるグラベルラリーの路面は全体的にスムーズ。バンク状になった流れるようなコーナーが多く、運転技術が試されるラリーとして知られている。

勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

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