子どもたちがお面姿で踊る三浦市の伝統芸能「いなりっこ」の発表会が10月2日、複合施設「うらり」2階の市民ホール(同市三崎)で開催される。新型コロナウイルスの影響で2年続けて中止となり、3年ぶり。出演する園児から高校生までの17人は多くのハンディをはね返し、熱のこもった練習を重ねている。
「慌てない」「息を合わせないと駄目だよ」。5日夜、海南神社氏子会館(同)。笛や太鼓の音に合わせ、三浦いなりっこ保存会の大人たちが9人の子どもたちを細かく指導した。
いなりっこは同神社に奉納される面神楽の“子ども版”。伝統芸能の継承という意味でも、コロナ禍による2年間の空白は「大打撃だった」と同会の会長(72)。子どもたちは中学生を終えると卒業するが、「引き継ぎがうまくできず、覚えるのに時間がかかる」と苦労を語る。
加えて、コロナ対策で練習も十分にできない。8月下旬から週3回、密を避けるため2班に分かれて実施。時間も例年の半分の1時間ほどに限られる。
厳しい環境にもめげず、子どもたちは真剣な表情で練習をこなす。小学1年生から出演し、今回で卒業する市立三崎中学校3年の生徒(14)は「3年ぶりなので思い出すのが大変だが、やれてよかった。観客の前でしっかりと踊りたい」と動作を確認していた。
当日は「国がため」「恵比寿(えびす)の舞」など4演目を披露する。午後2時半~4時半。入場無料。
問い合わせは三浦海業公社、電話046(881)6721。