【シダックス】その社名・ブランドの由来は?

日本には大手、中小・ベンチャーを問わず、高い知名度やブランド力を誇る企業が少なくない。その半面、案外知られていないのがネーミングの由来。社名に託された意味を知れば、その企業のルーツを知る手がかりにもなる。

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シダックス

給食大手として、その名を知られる。企業や学校、保育園・幼稚園、病院、高齢者施設などで食事提供を行うフードサービス事業を1959年の創業以来の大黒柱とする。1990年代に本格参入したカラオケ事業で一時代を築いたが、カラオケブームの退潮や競争激化を受け、2018年に撤退した。

シダックスは創業者で社長、会長を歴任した志太勤氏(しだ・つとむ、現取締役最高顧問)の姓に由来する。英字表記は「SHIDAX」。最後の「X」は無限を意味し、限りない発展への願いが込められている。

創業当初の社名は富士食品工業。シダコーポレーションを経て、1994年にシダックスに社名を改めた。その後、シダックスの社名は2001年に発足した持ち株会社に引き継がれ、今日に至る。東証スタンダード市場に上場している。

シダックスの本社(東京・渋谷)

フードサービス事業に続く経営の第2の柱と位置付けるのは車両運行サービス事業。企業や自治体が所有する役員車・公用車、バスの運行管理を請け負っている。

シダックスをめぐっては2022年8月末、食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地がシダックス創業家と連携し、筆頭株主である投資ファンドのユニゾン・キャピタルから株式27%余りを買い取るため、TOB(株式公開買い付け)を始めた。

ところが、「事件」が勃発。シダックス取締役会が反対を表明し、敵対的TOBに発展した。経営トップの志太勤一会長兼社長ら創業家と会社側が対立する異例の展開に注目が集まっている。

文:M&A Online編集部

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