全国高校サッカー選手権県予選前企画(3) 鶴崎工業 攻守のバランス良く、チーム力高まる

3年生にとって最後の大会となる「第101回全国高校サッカー選手権」の県予選トーナメントが、来月8日に開幕する。今年の県内の高校サッカーシーンの総決算となる大一番は見逃せない。ここではシード4校とともに、前大会覇者や注目校を紹介する。

鶴崎工業のサッカースタイル

守備重視 ○●○○○ 攻撃重視

サイド攻撃 ○○●○○ 中央突破

リトリート ○○●○○ プレッシング

カウンター ○●○○○ ポゼッション

※リトリート・・・相手にボールを奪われたらすぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成して守る戦術

昨年の全国高校サッカー選手権の県予選はベスト4、新チームになってからは県高校新人大会、県高校総体で準優勝。頂点まであと一歩と迫っている。キャプテンの倉見颯(3年)は「対戦相手が決まり、試合を想定して練習できるようになった。チームの雰囲気はいい」と話す。今大会は第3シードとなり、優勝候補の一校と目されている。

安定感のある守備は固く、大崩れすることは少ない。特に一発勝負のトーナメント戦では「得点を与えなければ勝てる」との思いが共有されている。主導権を握られ、自陣で守る時間が多くなっても、しっかり体を寄せる激しい守備を徹底できている。持ち前の守備力の高さに、ゲームマネジメントのうまさが加わっている。

チームの仕上がりは順調

夏休みは攻撃を重点的に取り組んだ。中津留正三監督は「やることを明確にして、一つ一つ丁寧にプレーをしよう」と呼び掛け、数少ないチャンスを決め切る決定力にこだわった。起点となる萱島飛瑠(3年)が前線でボールをキープして時間をつくり、緩急の付いた攻撃を使い分けることができるようになった。

一夏を越えて、攻守のバランスは良くなった。試合までの残り時間はコミュニケーションを図り、一体感を生み出す作業となる。中津留監督は「決勝まで進みながら勝ち切れなかった悔しさをバネにしてきた。全員が粘り強く、力を出し切れるチームになった」と成長を感じている。高い組織力とハードワークがチームに浸透し、攻守の切り替えも早い。比較的組み合わせに恵まれており、準々決勝からが山場となりそうだ。

県高校総体では準優勝となった

(七蔵司)

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