闇夜に浮かぶ幻想的な光 下野・薬師寺跡で「灯明の会」

幻想的に火がともる「エゴマ灯明の会」

 【下野】薬師寺の史跡下野薬師寺跡で10日、恒例の「第13回下野薬師寺跡エゴマ灯明の会」が行われ、大勢の参加者が幻想的な雰囲気を堪能した。

 灯明の会は毎年、中秋の名月に合わせ、古代下野薬師寺で行われていた「万燈会(まんどうえ)」を現代風にアレンジしたイベント。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった。

 午後5時45分、復元した回廊の礎石の上に載せた灯明皿約300個とカップ型灯ろう約900個に、南河内小中学校の児童が栽培したエゴマから絞った油に火を付けた明かりが静かにともった。

 会場では薩摩琵琶(さつまびわ)演奏者野村洋真(のむらようしん)さんによる演奏会や「うたよみカンタ」のコーラスも行われ、参加者は初秋のひとときを楽しんだ。

 ボランティアで会場準備などをした宇都宮大地域デザイン科学部3年の佐藤結奈(さとうゆいな)さん(20)は「すてきな景色をつくり、多くの人と共有する貴重な経験ができた」と話していた。

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