サイバー防衛人材育成へ 横須賀・陸自通信学校を23年度改編 防衛省が予算概算要求

陸上自衛隊通信学校=5日(山元 信之写す)

 防衛省が2023年度、陸上自衛隊久里浜駐屯地(横須賀市)にある陸自通信学校を「陸自システム通信・サイバー学校(仮称)」に改編し、サイバー防衛の専門人材を育成する「サイバー教育部(同)」を新たに編成することが15日までに分かった。自衛隊のサイバー領域での作戦能力を獲得・強化するため、同年度の予算概算要求に盛り込んだ。

 ロシアによるウクライナ侵略が武力攻撃とサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦争」と呼ばれるなど、近年はサイバー領域を巡り安全保障環境が劇的に変化している。サイバー攻撃が一層高度化、巧妙化する中、防衛省は自衛隊の活動の基盤である情報通信ネットワークの防御など、対処力の強化を急ぐ。

 陸自通信学校は陸海空の3自衛隊共通のサイバー教育課程を設けており、防衛省・自衛隊でのサイバー人材育成の基盤の中核を担っている。今回の改編に伴い、サイバー防衛の専門人材の教育やサイバーセキュリティーに関する研究開発を推進するために必要な施設や機材を整備するが、防衛省は「具体的な教育課程や教育内容は、今後検討を進める」としている。

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