新人ママ、病院泊まって不安緩和 平塚市、妊産婦支援へ新事業 22年度内に開始

平塚市役所

 出産や育児に不安を抱える妊産婦をサポートしようと、平塚市は妊産婦と1歳未満の乳児が病院などに短期滞在して助産師ら専門スタッフの指導を受けられる宿泊型の支援事業に新たに取り組む。2022年度中の開始を見込んでおり、市は医療機関への委託料などとして、約418万円を22年度一般会計補正予算案に計上した。

 市健康課によると、産後に家族などの手助けが得られず育児に不安を感じている人や、体調不良や疲労で休養が必要な人にも対応。宿泊期間は基本的に1~2泊程度を想定している。

 滞在中は助産師らから細やかな育児指導を受けられる。同市では産後のメンタルヘルス相談や家事・育児を手伝うヘルパー派遣事業といった支援事業も実施しており、同課担当者は「もちろん休養は大事。併せて、自宅での様子なども聞いたりして、必要なサービスを紹介したい」と話す。

 事業開始に向け、市は市内外の病院やクリニック、助産院など10を超える医療機関と契約した。ただ、各施設で利用できるベッドには限りがあるため今後も提携先を増やす方針で、同課担当者は「(妊産婦が)電話をかけるのは切羽詰まっている時。すぐに泊まれる場所が必要なので、できるだけ多くの所と契約しておきたい」としている。

 新型コロナウイルス禍で、移動を伴う里帰り出産を自粛する傾向が強まったことに加え、「今の(妊産婦の)両親は60代でもまだまだ現役で働いている世代で、夫婦共働きも多いと聞く」と同課担当者。里帰りしても家族のサポートを受けづらい状況が顕在化しているといい、「行政や産科施設の枠を超えて、地域の皆でサポートしていくことが大切」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社